16世紀の英国を舞台にエリザベス女王の苦悩と戦いを描いた作品です。
前作に引き続き、ケイト・ブランシェットは圧巻でした(^^)

16世紀後半。ヨーロッパではスペインが宗教戦争をしかけて勢力を伸ばしており、
その矛先は英国にも伸びようとしていた。
一方、英国ではイングランド女王のエリザベスによって落ち着きを取り戻しつつあった。
だが、幽閉中のスコットランド女王のメアリー・スチュアートに加えてスペインの問題も浮上し、
宰相ウォルシンガム卿(ジェフリー・ラッシュ)をはじめとする側近たちは頭を悩ませていた。
そんなある日、エリザベスの前に新世界を旅するローリー卿(クライヴ・オーウェン)が現れる。
挨拶に訪れた彼の、豪快さと繊細さを兼ね備えた話は面白く、彼女は彼に惹かれるものを感じた。
そして彼に、信頼している侍女ベス(アビー・コーニッシュ)を近づけ、様子を探ろうとする…

女王として君臨するエリザベス1世の心の揺らぎを、女性としての視点もからめて描いていました。

頂点に立つ者としての苦悩。自由に人を愛することが出来ない哀しさ。
そして、政治の世界に潜む暗黒な部分。
自分の言動が国自体を動かしていくという重圧を感じながらも、
隙の無い着こなしで日々耐えている女王の笑顔には何とも言えない寂しい印象がありました。

しかし、そんな彼女もスペインとの戦争が始まると一変します。
闘いの前線に留まり、生死を共にすると宣言して兵士たちを奮い立たせます。
彼女の騎乗した姿は、男性にも負けない威厳が具わっていて迫力でした。

それにしても、本当にケイト・ブランシェットは女王が似合っていました!
舞台で慣らした発声で語る威厳のある演説を聞いていると、女王以外の何者でもないような気になります。
やはり彼女がいたからこそ作ることが出来た作品ですね。

16世紀の豪華な内装や調度品、美しい衣装がキラキラしていて印象的だったなあと
観終わった後にやっぱりうっとりしていた1本です。

監督:シェカール・カプール 出演:ケイト・ブランシェット ジェフリー・ラッシュ クライヴ・オーウェン アビー・コーニッシュ
2007年製作 イギリス/フランス 原題:ELIZABETH: THE GOLDEN AGE
(080130)

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月16日以降の予定です。