日本ラブストーリー大賞を受賞した同名小説の映画化です。
いつも海の音が聞こえているような沖縄の離島を舞台に
男女の心の交流が優しく描かれていました。
過疎化が進む小さな島では、島の未来を揺るがす論議が沸き起こっていた。
観光リゾート開発の話が具体化へと進んでいたのだ。
産業の無い島の未来を変えたいという開発業者の声に、住民の大半が開発派に傾いていた。
島で小さな商店を営む友寄明青(玉山鉄二)は数少ない反対派。
犬を相棒に気ままな生活を送っている彼は、長年住んでいるこの土地を業者に売りたくないと考えていた。
そんな彼がいつもお世話になっているおばあ(瀬名波孝子)のところへ行くと、
おばあは彼に「カフーがくる(幸せが訪れる)」と予言した。
巫女であるおばあの予言は当たると期待していたところ、一通の手紙が届いた…
なかなか本心を語れない主人公たちをもどかしく感じながらも
彼らの心の痛みが静かに伝わってくるような物語でした。
一通の手紙と共に島に現れた女性・幸(マイコ)。
彼女は明青が戯れに神社で書いた“嫁に来ないか”という絵馬を持って現れます。
若くて綺麗な女性の出現にときめいた明青は、うまく話すことも出来ずにただドキドキしているだけです。
“私をお嫁さんにしてください”と言って現れた幸ですけど、料理も洗濯も下手で明青を慌てさせてばかり。
そんな今までとはちょっと違う毎日を送っていくうちに、
明青は彼女がそこにいるだけで幸せな気持ちを感じられるようになっていきました。
それにしても、玉山鉄二さんは頼り無さそうな人物を演じるのが上手いですね~
全体的に静かに流れていくような展開なので、彼の演技の上手さが物語を引っ張っているような気がしました。
明青がとらわれていた過去の痛みと向き合った時、幸せな未来が近付いてきます。
観終わった時、ようやく動き出した彼の勇気にちょっとほっとした気持ちになった1本です。
監督:中井庸友 出演:玉山鉄二 マイコ 瀬名波孝子 勝地涼 尚玄 高岡早紀 沢村一樹
2009年 日本
(20090122)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月28日以降の予定です。