大統領を辞職し失意の底にあったニクソン元大統領(フランク・ランジェラ)の元に
エージェントが仕事を持ってきた。
それはコメディアン出身の人気司会者フロスト(マイケル・シーン)が
ニクソンのインタビュー番組を作るというものだ。
出演料の交渉でアップに成功したニクソンは出演を承諾する。
しかも、相手は組み敷き易そうな司会者フロスト。
ニクソンのブレインたちはこのインタビューを機に、ニクソンの人気を復活させようと考えていた。
だが、フロストはニクソンからウォーターゲート事件の真相を引き出そうと画策していた…
主人公たちの死闘とも言えるインタビューの応酬が興味深かったです~
ウォーターゲート事件によって政治生命を絶たれてしまったニクソン。
でも、彼はいつか再び政界へ復帰したいと考えていました。
そこにチャンスが来たと思ったのが、フロストからの依頼であるインタビュー番組です。
多額の出演料が貰えるし、この番組で人気が復活すれば政界にも戻れるかもしれない。
そう考えたニクソンは番組を引き受け、フロストと対決することになりました。
一方、アメリカでの知名度は低いけど、イギリスやオーストラリアでは人気司会者のフロストも、
この番組にアメリカ進出の夢と全財産を賭けています。
友人のプロデューサーであるジョン・バード(マシュー・マクファディン)を中心に
新聞記者、学者というブレインを手に入れたフロストは意気揚々とニクソン攻略に挑みます。
でも、肝心のインタビューは百戦錬磨のニクソンにテンポを崩され、フロストの狙い通りには行きません。
全4回のインタビューのうち3回を相手のものにされてしまったフロストは、
ニクソンの裏を書く情報を必死で探し、最後の闘いに挑みました。
それにしても、二人の演技は見応えがありました~
目力の強いマイケル・シーンが演じるフロストとニクソンの
二人が繰り広げるインタビューの行末をドキドキしながら見つめていました。
二人の心の底辺には劣等感という消えない痛みがいつも残っています。
それをバネに上へと昇ってきた二人は人生の転換点で出会い対決します。
その結末をニクソン役のフランク・ランジェラは
人生に敗れた男の悲哀を存在感のある演技で見せてくれました。
観終わった時、もう一度ウォーターゲート事件のことを勉強してから
見直してみたいなあと思った1本です。
監督:ロン・ハワード 出演:フランク・ランジェラ マイケル・シーン ケヴィン・ベーコン マシュー・マクファディン レベッカ・ホール オリヴァー・プラット サム・ロックウェル
2008年 アメリカ 原題:FROST/NIXON
(20090318)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は3月28日以降の予定です。