世界を舞台に活躍する暗殺者ジョー(ニコラス・ケイジ)は仕事でバンコクを訪れた。
彼は自分が仕事に使った人間は全て処理し、一般人とは一切関わりを持たないという
徹底した非情主義で自分の身を守っている孤独な男だ。
だが、最近は体力的な衰えを感じ、このバンコクでの仕事を最後にしようと考え始めていた。
いつも仕事先では、お金で何でも従って最後には処理し易そうな男を見つける。
今回も街中で観光客相手にスリをしていたコン(シャクリット・ヤムナーム)に目を付けた。
初めのうち、コンは仕事に厳しい注文をつけるジョーに不満げな顔をしていたが、
ジョーの仕事内容を感づき、彼のことを“悪い奴を倒す正義の人”と思うようになる。
真剣な態度で自分に仕事の技術を教えてくれと言い始めたコンに心を動かされたジョーは
自分の弟子としてコンを育てようと決心する。
だが、その時から彼の運命の歯車は少しずつ狂い始めていた…
血肉が飛ぶ殺しのシーンとハードボイルドな展開にびっくりでした~
いつも他人に正体を隠し、定住もせず、仕事以外には人と接触することの無いジョー。
あまりの孤独に人間というものを忘れないようにするため、たまに街に出ても、
ただ街行く人々を観察しているだけです。
彼の孤独が癒されることはありませんでした。
でも、一人の若者と関わるようになり、彼を弟子にしようと考えたことから
彼は孤独な殻から少しずつ外へ出て来ます。
それは彼にとって初めてとも言える深いつながりで、次第に他人を気遣う心まで生まれてきます。
同時に彼は、耳は聞こえないけど笑顔の綺麗な薬剤師フォン(チャーリー・ヤン)と出会い、
彼女の優しさに癒されていきます。
そんな優しさと愛を知り始めたジョーに対し、
彼に仕事を依頼していたバンコクの組織が命を狙い始めます。
暗殺の仕事から自分たちへ足が付くのを恐れたのです。
そして、彼がこれまで守ってきた平和が崩され始めた時、
彼の取った行動は自分を守ることではなく、コンを助けることでした。
それにしても、今回のニコラス・ケイジは暗殺者役がカッコ良かったです(^^ゞ
仕事をする時の冷徹な表情と、コンやフォンと接している時の繊細で優しい瞳とのギャップは
さすがはニコラス・ケイジだなあと思うような演技力でした。
不器用に手を合わせて挨拶する姿も、ちょっと可笑しかったです。
でも、そんな彼の見せる殺しのシーンはかなりのインパクトで、
特に生々しく手が飛んだりするシーンとかには予想以上にビックリでした(^_^.)
そして、こんなにハードな作品が全米No.1をとったのか~と改めて思ってしまいました。
主人公が命を懸けたラストの戦いぶりに、これは香港アクションとかが好きな人なら
かなり好きな展開だろうなあとちょっと思った1本です。
監督:オキサイド・パン ダニー・パン 出演:ニコラス・ケイジ シャクリット・ヤムナーム チャーリー・ヤン
2008年 アメリカ 原題:BANGKOK DANGEROUS
(20090424)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は5月9日以降の予定です。