漫画家の高原奈都美(深津絵里)の家に新米編集者の財前(福士誠治)がやって来た。
原稿が全然進まない奈都美に業を煮やした出版社が送り込んできたのだ。
早速、部屋を片付け始めた財前は彼女に生活を正すようにくどくど言い始めた。
また、彼は書きかけの原稿を読むと、ありきたりなラブストーリーだと酷評する。
彼は以前に奈都美が描いた感動作のような、地味だけど人の心を揺さぶる作品を創って欲しかったのだ。
彼女は笑いながら、ラブストーリーの方が人気があるのよと彼の要望をいなした。
だが、次第に彼女の心は、遠い故郷で暮らした少女の頃の親友たちとの日々へと向かって行った…
彼女たちが感じた生きるということの難しさが何とも言えなかったです(T_T)
新しいお父さんと一緒に引っ越した先で友達になったきいちゃんとみさちゃん。
二人の家は貧しくて理不尽ないじめにもあっていたけど、いつも明るく元気でした。
そんな二人と仲良くしているうちに、奈津美も人生の難しさを知るようになってきます。
いつか大人になってこの町を出て行かなくてはならない。
でも、その方法は簡単ではないことが分かっています。
三人の女の子たちは大人になることが不幸に繋がっているような不安を漠然と感じながら成長していきます。
やがて自分よりも早く大人になった二人の暮らしぶりを見ながら、奈津美は身動きが取れなくなります。
でも、奈津美が動き始めるきっかけとなったのは、二人の友情のおかげでした。
それにしても切なかったです(T_T)
決して幸せには見えない生活をしているのに、でも自分は幸せだと笑顔で答える友達。
そんな友達の幸せを願いながら、祈ることしか出来ない自分の無力さ。
そして、どんなに遠くに離れていても、心は繋がっていると感じられるあたたかさ。
ひとつひとつの言葉が胸に響きました。
観終った時、友達がいることの大切さをしみじみと感じた1本です。
監督:森岡利行 出演:深津絵里 福士誠治 大後寿々花 波瑠 高山侑子 森迫永依 奥貫薫
2009年 日本
(20090805)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は8月29日以降の予定です。