プロダクションI.Gが3DCGアニメで描いた一人の少女の冒険物語です。
ホッタラケの世界はおもちゃ箱をひっくり返したようで楽しかったです(^^ゞ
幼い頃に母を亡くした遥は多忙な父と二人暮し。
高校では親友も出来たけど、母のいない生活は苦労も多くて心に不満が溜まっていた。
ある日、遥が学校から帰るとテーブルの上には父の食べかけの食器が出しっぱなしで片付いておらず、
しかも冷蔵庫に入れていた自分のジンジャエールも父に飲まれてしまったのを見つけてしまう。
父への不満と母への寂しさを感じながら母のことを思い出していた遥は
母の形見で幼い頃には大切にしていた手鏡をいつの間にか失くしてしまったことに気付く。
ふと昔に読んだ童話を思い出した遥は、失くし物が出てくるというお稲荷様にお祈りに行った。
境内でぼんやりと時間を過ごしていた遥は、不思議な動きをする生き物を見つける。
その生き物に家の鍵を盗られてしまった遥は、相手に気付かれないようにそっと後を追った…
自分の置かれた現状に矛先の無い不満を感じていた女子高生が巻き込まれた冒険は
本当に大切な宝物を取り戻すためのプロセスでした。
不思議な生き物を追った遥の行き着いた場所は
人間がほったらかしにしたものを集めたホッタラケの世界です。
遥はそこでお母さんの形見である手鏡を見つけようと考えます。
彼女がそこへ来る原因となったホッタラケの生き物テオを引き連れて
ホッタラケの世界の奥へと入っていきます。
しかし、ホッタラケの世界を仕切っている“男爵”も、その遥の鏡を狙っていました。
物語はシンプルで楽しいです。
人間を怖がっていたテオが遥と仲良くなっていく様子とか、スピード感のある冒険とか
お決まりですけど観ていて安心して楽しめました。
そしてこの冒険で遥が見つけた想いは、人なら誰でもつい忘れがちになってしまうけど
決して失くしてはいけないものでした。
それにしても、噂通りの綺麗な絵でした~
初めのうちは人物と背景の差に違和感を感じたりもしましたけど、
ホッタラケの世界へ行ってからは全然気にならなかったです。
そして、画面いっぱいに広がるホッタラケの世界は繊細で不思議で楽しかったです。
観終わった時、自分も大切なものと思い出を失くさないように気をつけなければと思いつつも、
美味しいハンバーグがちょっと食べたくなった1本です(^^ゞ
監督:佐藤信介 声の出演:綾瀬はるか 沢城みゆき 大森南朋 戸田菜穂
2009年 日本
(20090825)