1930年代のアメリカは大恐慌時代に入っていた。
だが、銀行強盗を計画していたジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)にとっては、好都合な時代でもあった。
仮出獄から8ヶ月経ったある日、ジョンは再入獄を装って刑務所の扉を叩いた。
獄中にいる仲間を助けるため用意周到に計画を立てたのだ。
計画は上手く行きそうになっていたのだが、仲間の一人が発砲したために銃撃戦となってしまう。
銃弾で仲間のひとりを喪ったジョンは怒りをその原因となった仲間にぶつけ、車から落とした。
彼は仲間想いの男だったが、自分の計画を邪魔する者は許せない性格だった。
その後、銀行強盗を成功させて仲間たちと街へ繰り出していた時、彼は一人の女性に目を奪われる。
その女性ビリー(マリオン・コティヤール)に声をかけたジョンは、彼女を連れ出すことに成功した。
だが、彼が仕事関係者に声をかけられた隙に、ビリーはいなくなってしまった…
ジョン・デリンジャーの生き様は激しくて鮮烈でした。
何度も銀行強盗を起こし、世間の話題をさらった一人の男の半生を描いた物語です。
ジョンは刑務所仲間と銀行強盗を始め、義賊として人気者になると同時に
警察やFBIからは“社会の敵”として目の敵にされます。
彼が何故人気者になったのかは良く分かりません。
ただ、一般客からは奪わないこと、老人に声をかけて安心させること、そして誘拐を嫌うことなど
世間の目を気にするような行動を取ります。
彼はもしかしたら人々に好まれる人物として注目を浴びていたいのかなと感じたりもしました。
そんな中、彼は心から大切にしたいと思える女性ビリーと出会います。
始めのうち、彼女は簡単にジョンになびくことはありませんでした。
最初はジョンの言うことをきかずに、こっそり姿を消したりもします。
そんな従順ではない彼女の態度にジョンは逆に惹かれていったのでは無いでしょうか。
一方のビリーもジョンのカリスマ性たっぷりの魅力には敵いません。
やがて警察に捕まったビリーは厳しい尋問などの辛い目にあいますが、ジョンを庇おうとします。
そんなビリーをジョンも決して見捨てようとはしませんでした。
それにしても、本当にジョニー・デップはカッコいいですね~
あまりにもかっこ良過ぎるためにジョン・デリンジャーっぽくないとかいろいろあるようですけど
あの笑顔の下にある凄みとかカリスマ性がこれほど似合うのは
やっぱりジョニー・デップだからだろうなあと感じました。
また、彼を愛して刑務所にも入るビリーを演じたマリオン・コティヤールの美しさも印象的でした。
そして、ジョン・デリンジャーを追い詰めるメルヴィン・パーヴィスを演じたクリスチャン・ベイルや
彼を射殺した一人であるウィンステッド捜査官を演じたスティーヴン・ラングも
存在感のある演技を見せてくれました。
観終わった時、どんなに危険で人生を滅ぼすと分かっていても、
ジョンみたいな人に一緒に夢をみようと誘われたら、やっぱり頷いてしまうなとちょっと感じた1本です。
監督:マイケル・マン 出演:ジョニー・デップ マリオン・コティヤール クリスチャン・ベイル
2009年 アメリカ 原題:PUBLIC ENEMIES
(20100116)