2003年。アメリカ陸軍MET隊に所属するロイ・ミラー隊長(マット・デイモン)は
大量破壊兵器を探す任務に付いていた。
だが、情報を元にたどり着いた建物には全く兵器があった気配が無い。
過去2回に引き続きの空振りに疑問を感じたミラーは上司に問い質すが答えはあいまいだ。
そして4回目の探索に入っていた時、一人のイラク人が隊に近付いてきた。
ミラーは真面目に情報を持って来たと主張する男に、彼を信用する根拠を問うと
この街中の視線の中でこうして話していることで証明できるだろうと熱心に話した。
彼を信用することに決めたミラーは、部下たちと共に情報の家へ急行した。
するとそこには重要な敵であるイラン軍の将軍がいた…
戦争の裏側に本当は何が隠されているのか知りたくなりました~
大量破壊兵器の存在に疑問を投げかけた一人の兵士ミラーの物語です。
情報を元に探しても何故見つからないのか。
そのことを不思議に思った彼は情報そのものに疑問を持ちます。
情報提供者は誰なのか。仲介役は誰なのか。そして、マスコミに流したのは誰なのか。
真実に近付いていくにつれ、ミラー自身の身にも危険が迫ります。
そんな状況を得意のハンディカメラで追うように映し出す臨場感はさすがでした。
ボーンシリーズと違うのはアクションよりもサスペンスの要素が強いことです。
ミラーは命令通りに動いて帰国までの日々を無事に過ごそうとする兵士ではなく、
問題を見つけたらその疑問を見逃せない人間でした。
それは、イラクに来た兵士として少しでもこの現状をどうにかしたいと思っていたのかもしれません。
しかも、大量破壊兵器は今回の戦争の要因です。
次第に国防総省vs CIAのような構図になっていく中で、ミラーはどちらにつくか選択を迫られます。
そして、彼は真実を追い求める方へと向かっていきました。
それにしても“グリーン・ゾーン”って何なのだろうなあと感じました。
破壊された土地の上にポンと出来上がっていたバケーション施設のような光景は
平和というよりは異様です。
これがイラク戦争の象徴だったら本当に嫌だなあと思うのと同時に、
この作品のタイトルなのだから、もう少し映して欲しかったなあと思ってしまいました。
そしてこの地域の姿を観た後、イラク人がイラクのことを
他国に決めさせたくないと思うのも納得だと感じました。
これが真実だったら本当に怖いなあと思うのと同時に、
こういう映画が創られる時代になったのだなあとしみじみ感じた1本です。
監督:ポール・グリーングラス 出演:マット・デイモン グレッグ・キニア ブレンダン・グリーソン ハリド・アブダラ エイミー・ライアン
2010年 フランス/アメリカ/スペイン/イギリス 原題:GREEN ZONE
(20100515)
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