薬で全てを失ってしまった一人の女性が手放してしまった息子に会えるようになるために、
自分の人生を取り戻そうとする人間ドラマです。
主演のマギー・チャンがこの作品でカンヌ国際映画祭で受賞したと聞いていたので気になっていました。
もうDVD化されているのですけど、飯田橋ギンレイホールで上映されていたので
やっぱり劇場で観たいなあとチャレンジしてきました(^^ゞ
マギー・チャンの演技力と美しさに魅せられました~
一人の女性の再生を描いた物語です。
彼女は夫を失い、薬物中毒から立ち直ろうとします。
パリで働いていた頃は華やかなマスコミ界にいたのですけど、今は誰も彼女を使ってくれません。
昔の仕事仲間も人気ロックスターだった夫の関係者もみんな、昔の彼女は認めてくれても
現在の薬物依存から抜け出していない彼女には親身になってくれませんでした。
その中で彼女の支えになっている唯一の希望は、一人息子と会うこと。
ずっと離れて暮らしていたため、息子は母のことを覚えていません。
仕事も家も無く刑務所に半年入っていたため、息子の親権は夫の両親にあります。
でも、彼女はそれは仕方ないことと諦めています。
自分でも育てていく自信が無いのです。
だた、薬から抜け出し、仕事を持って安定した生活を始めれば、
夫の両親もたまに息子に会うことを許可してくれると考えて、必死に頑張ります。
その迷い苦しみながらも少しずつ変わっていくエミリーの姿は真っ直ぐに観ている者の心に響いてきました。
それにしても、マギー・チャンはいくつになっても美しい人ですね。
私はあまり彼女の出演作を観ていないのですけど、観るたびに役で印象が変わっていきます。
今回も、荒れた雰囲気の薬物中毒者から、素顔の柔らかい笑顔で息子と向き合う母親まで
まるで別人のように変わっていく姿が印象的でした。
語学が堪能で歌も上手くてこんなに美しい上に圧倒的な演技力を見せ付けられては
カンヌの主演女優賞も納得だなあとしみじみ思ってしまいました。
彼女の歌で締めくくられたエンドロールを観ながら
この映画を見逃さないで良かった~と感じた1本です(^^ゞ
監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:マギー・チャン ニック・ノルティ ジェームズ・デニス ベアトリス・ダル
2004年 フランス/イギリス/カナダ 原題:CLEAN
(20100520)
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