1907年。ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム=カーター)は
歳の離れた従姉妹のシャーロット(マギー・スミス)に付き添われてイタリアのフィレンツェへ旅行に来た。
だが、ホテルの部屋が北側で、希望していた川の眺めが見えないことを知りガッカリしていた。
そのことを夕食の場で話していると、息子と旅行に来ていたミスター・エマソン(デンホルム・エリオット)が
自分たちの部屋からの眺めはいいが、自分たちには必要ないので部屋を変更しないかと申し込んできた。
ルーシーはその申し出に目を輝かすが、あまりにもあけすけな物言いに気分を害したシャーロットは
ルーシーの手を取り夕食を中座してロビーへ来てしまう。
だが、たまたまロビーにいた同郷のビーブ牧師(サイモン・キャロウ)の取り成しにより
シャーロットは気を変えて部屋を交換することになった。
翌朝、窓を開けたルーシーは、美しい眺めに笑顔になった…
まだ平和な頃のイタリアやイギリスの風景が美しかったです(^^)
ルーシーは良家の娘です。
ただし、普段は良家のお嬢様らしく大人しくしていますが、実は元気で情熱的な面を持っています。
それは実はピアノの演奏に現れているのですけど、本人も自覚しているのかは不明です。
そして、そんな彼女がイタリアで情熱的な恋に出会います。
相手は自分よりも低い階級で、ちょっとエキセントリックな性格をしているジョージ・エマソン(ジュリアン・サンズ)。
ルーシーはジョージに情熱的なキスをされるのですけど、それ以上は想いを封印してしまいます。
そして、シャーロットにも口止めして無かったことにしてしまいました。
旅行から戻ったルーシーは、やはり良家で芸術好きなセシル(ダニエル・デイ=ルイス)と婚約します。
美しくピアノも上手なルーシーはセシルの親にも気に入られ、いつ結婚してもOKな状態になりました。
でも、読書や芸術ばかりに目を向けてきたセシルはルーシーを大切にはしてくれるのですけど
子供がするようなおとなしいキスしかしてくれません。
そんな小さなすれ違いを感じ始めたある日、ルーシーは偶然にもエマソン父子と再会します。
それをきっかけに、ルーシーは自分の心を見つめなおし始めました。
全体的にはシンプルな物語でした。
実はキャストを見た時、曲者揃い?と思ったので、どんな物語なのだろうかと思ったのですけど
時代を20世紀に移したジェーン・オースティンのようだと感じました。
ルーシーが自分の人生を選択していくところがいいですね。
また、田園や街並みの風景だけでなく、階級から来るプライドの高さや結婚のあり方なども
何となくオースティンのようです。
100年前のイギリスはこうだったのだなあとちょっと時代の流れを感じました。
それにしてもみんな若かったです。
ヘレナ・ボナム=カーターやジュリアン・サンズ、そしてダニエル・デイ=ルイスも美しくて素敵でした。
特にヘレナ・ボナム=カーターが可愛くてぽっちゃりしているのが印象的です。
初々しい可愛らしさが“良家のお嬢様”にぴったりでした。
あと、さらに大人しくて不器用なキャラクターを演じているダニエル・デイ=ルイスがとても上手くて
若い頃からさすがの演技力だったのねと感じました。
オープニングやエンドロールに絵が散りばめられているのも可愛かったです(^^)
観終った時、それにしてもこの中から「ハリー・ポッター」シリーズに登場する俳優さんが
随分いるなあとちょっと面白く感じた1本です。
監督:ジェームズ・アイヴォリー 出演:ヘレナ・ボナム=カーター ジュリアン・サンズ ダニエル・デイ=ルイス マギー・スミス サイモン・キャロウ デンホルム・エリオット フェイビア・ドレイク ジュディ・デンチ
1986年 イギリス 原題:A ROOM WITH A VIEW
(20100920)