今日のジニ(キム・セロン)は最高に嬉しかった。
大好きなお父さん(ソル・ギョング)と二人でお出かけなのだ。
よそ行きの服と靴を買ってもらい、おしゃれをしてバスに乗って遠出するのも珍しいこと。
ジニはお父さんの顔を見てはニコニコしていた。
町へ着くと、これから行くところへ持って行くためにケーキ屋さんでホールのケーキを選んだ。
そして、二人はある施設の門を潜った。
少女たちの集う施設の応接室に入った二人は責任者らしい人と面接した。
そのうち友達を紹介すると連れ出されたジニは、偶然、父が建物から去っていくのを見てしまう。
実はその施設はカトリック系の孤児院だった・・・
大好きなお父さんへの愛情をいつまでも忘れられないジニがとても愛しかったです(T_T)
家の事情で孤児院に入れられた9歳の少女の物語です。
彼女は自分を残して去った父をずっと待ち続けます。
ちょっと泊まりに来ただけという言葉を信じていたのです。
周りの大人たちが、もう父は来ないと言っても聞く耳を持ちません。
絶対に父は嘘をつかないと主張するだけです。
そして、彼女は反抗的な態度を取り続けます。
ご飯を食べなかったり、脱出しようとしたり…
でも結局、空腹と寒さに負けて、誰もいない夜の台所へと戻ってしまうのです。
そんな彼女を気にかけているのが年上の先輩スッキ(パク・ドヨン)です。
彼女は最初のうちはジニの反抗的な態度を見ていじめたりするのですけど、
すぐに彼女の行動が父に裏切られた悲しみのためだと理解して世話を焼くようになります。
誰に対しても反抗的だったジニも、次第に彼女と仲良くなり始めます。
そして、少しずつ季節は移っていきました。
この施設はカトリック系のためか、外国人の養父母希望者もやって来ます。
そろそろ年齢的に限界が近付いているスッキは、アメリカ人の希望者が来た時に明るく振舞って、
懸命に自分をアピールします。
そして、運良くアメリカ人夫妻はスッキに目をつけます。
同時にジニにも夫妻の関心は行ったのですけど、ジニのそっけない態度から彼らはスッキを選びます。
スッキが去ってジニはまたひとりになるのですけど、このことがジニの心に大きなインパクトを与えます。
そして、様々な葛藤の末にジニの心がゆっくりと変化していきました。
それにしても、ジニを演じたキム・セロンちゃんの演技には泣かされました(T_T)
心を閉ざした表情と瞳、そして身体全体で父の愛を求め、自分が捨てられた現実を拒否していました。
その姿や行動に胸が痛むのと同時に、ここまで愛を求めている子を捨てなくてはならないとは
どんなにか辛い選択だろうなあと考えてしまいました。
途中、施設に来た先生が彼女に「お父さんは君に幸せになって欲しかったのだよ」みたいなことを言っていました。
見終わった時、その答えがきっとこの映画そのものなのだろうなあと感じた1本です。
監督:ウニー・ルコント 出演:キム・セロン パク・ドヨン コ・アソン パク・ミョンシン ソル・ギョング
2009年 韓国/フランス 原題:A BRAND NEW LIFE
(20100925)
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公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は10月9日以降の予定です。