加賀藩に代々御算用者として仕えてきた猪山家。
七代目の信之(中村雅俊)は御算用としては出世した武士ではあるが、それでも下級武士だった。
御算用者は、まず見習いとして通い始める。約3年間でこの期間は無給だ。
八代目の直之(堺雅人)は誰に似たのか几帳面でつじつまが合わないと、とことん突き詰める性格で、
その才能は見習い時代から抜きん出るものがあり、皆から“そろばんバカ”と呼ばれるようになった。
直之も嫁をもらう年頃になり、町同心・西永与三八(西村雅彦)の娘・お駒(仲間由紀恵)との縁談もまとまった頃、
御蔵米の勘定役に任命された彼は偶然、お救い米の騒動を耳にする。
蔵から出された米と最終的にお救い米として使われた勘定が合わないというのだ。
彼は古い資料まで遡って計算を始めた。
だが、その行為は藩を揺るがす大騒動となって行った…
剣の代わりに算盤というところが面白かったです。
代々算術をお家芸としてきた猪山家。
八代目の直之は才能も性格も御算用者にぴったりで真面目一筋な武士です。
美しい嫁をもらい息子も生まれて幸せいっぱいの頃、ふと自分の家の家計が火の車なことに気付きます。
息子の4歳のお祝いをするための費用が足りないことが分かったのです。
それまで家計は父と母が管理していましたが、二人とも大らかな性格で
家計のことは分かっていたのですけど、それほど重要には感じていませんでした。
家計状況を自分で調べなおした直之は借金が収入の2倍になっていることを知ります。
このままでは、猪山家の破産は免れない状態でした。
直之は借金返済のために非常手段に出ます。
息子の祝いの席で鯛料理の変わりに鯛の絵を配った彼は、のんびり屋の両親に危機的状況を実感させます。
そして恥や外聞を捨て、家財をほとんど売り払うのです。
家族たちが売り払うものを決めているシーンが何とも気の毒なのですけど可笑しく描かれていて
思わず笑ってしまいました(^^ゞ
それにしても、5歳から算術を教え始めて家計簿をつけさせるとは、本当に英才教育ですね~
その厳しさもなかなかで、お金の管理にも武士の心意気が必要なのだなとちょっと感じました。
江戸から明治へ向かう激動の時代も、算術と管理能力が重用されるというところも面白かったです。
また、そんな猪山家を演じている面々もみんなぴったりで楽しかったです。
特にのんびり屋の両親役の中村雅俊さん&松坂慶子さんの演技にはクスクス笑ってしまいました(^^ゞ
観終った時、これが“お家芸”か…としみじみ納得した1本です。
監督:森田芳光 出演:堺雅人 仲間由紀恵 中村雅俊 松坂慶子 草笛光子 西村雅彦
2010年 日本
(20101102)
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公式サイトはこちらへ 追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月4日以降の予定です。(石川先行上映あり)