朔太郎(草なぎ剛)は公園で原稿を前にアイディアを捻り出そうと悩んでいた。
ふと彼は銀行へ向かい、窓口で3万円を引き出すように頼むと、窓口係の女性(竹内結子)に宇宙人の質問をした。
隣の窓口に立っている客はぎょっとした顔をしているが、窓口の女性は笑顔で彼の質問に答えるとお金を渡した。
朔太郎は彼女の答えに、そうか!と笑顔になると、すぐに家へ飛んで帰った。
夕暮れになっても机に向かいながら黙々と書き続ける彼のいる家に帰宅してきた妻・節子は
先ほど銀行の窓口に居た女性だった…
夫婦の紡ぎ出すおもいやりの姿に心が洗われるようでした。
癌で余命一年と言われた妻のために、毎日、新しい小説を書こうと必死になる主人公の姿を描いた作品です。
主人公の朔太郎はSF一筋の作家です。
出版する本の数は多くなく、でも雑誌の締切に追われる毎日です。
一方、仲の良い作家・滝沢(谷原章介)は恋愛小説家に転向し、ベストセラーをどんどん送り出しています。
彼は朔太郎にも売れる本を書けと勧めますけど、朔太郎はうなずきません。
また、妻の節子も、朔太郎には自分の好きな作品を書いて欲しいと願っていました。
ある日、庭で具合の悪くなった節子は、そのまま搬送先の病院で緊急手術となってしまいます。
慌てて病院へ駆けつけた朔太郎に、担当医(大杉漣)は節子の癌を伝えます。
一年先を考えるのは難しいと言われ、呆然となる朔太郎。
それでも節子には告知せず、治ることを信じようと看病を続けます。
そんな中、医者に笑いが体に良いと言われた朔太郎は、節子のために毎日3枚以上の笑える小説を書こうと決意しました。
そして、その小説原稿の山は365日を超え、どんどん高くなっていきました。
それにしても、草なぎ剛さんと竹内結子さんの演技は素晴らしいですね。
この二人だからこその純粋な想いがスクリーンから伝わってくるようでした。
そして、彼らの創り出した夫婦の絆の美しさにはやっぱり泣けてしまいました。
とても切ない作品でしたけど、心が温かくなる物語でした。
観終わった時、こういう優しい作品に出会えて嬉しいなあと感じた1本です。
監督:星護 出演:草なぎ剛 竹内結子 大杉漣 谷原章介 風吹ジュン 小日向文世
2010年 日本
(20110123)
→公式サイトはこちらへ http://www.bokutsuma.jp/index.html