3人の物語がクロスした時、未来への希望が見えてきました。
津波により臨死体験をした女性マリー・ルレ(セシル・ドゥ・フランス)、
子供の頃に重い病気になった後から亡くなった人と交信できるようになった男性ジョージ(マット・デイモン)、
そして、突然に双子の兄を亡くした少年マーカスの物語です。
マリー・ルレは人気キャスターとして社会問題を取り上げていく番組を持っている有名人です。
そんな彼女が南の国でバカンス中に津波に遭います。
濁流に飲まれながら頭に怪我を負った彼女は、心肺停止状態後に奇跡的に生還します。
でも、彼女は意識を失っている間、光と影で出来ているような不思議な光景を目にするのです。
ぼんやりと人影が漂っているようなその光景は彼女の脳裏に焼き付けられ、
パリへ帰国した彼女の人生を少しずつ変えていきました。
ジョージは工場で肉体労働をしている青年です。
実は彼には亡くなった人と交信が出来るという能力がありますが、それを秘密にしながら生きています。
以前はその能力を霊能者としてビジネスにしていたのですけど、仕事とするには彼には辛すぎたのです。
でも、そんな彼の気持ちを理解できない彼の兄ビリー(ジェイ・モーア)は、せっかく儲かる能力なのにもったいないと思っています。
そして、ことあるごとに彼に霊能者の仕事を再開しないかと持ちかけていました。
マーカスは麻薬中毒の母と双子の兄ジェイソンと都会の片隅で3人暮らしをしています。
兄ジェイソンはしっかり者で弟マーカスはそんな兄にいつも頼っていました。
ある日、母がマーカスへ薬に行くように処方箋を渡されているのを見たジェイソンは
マーカスが宿題を出来るようにと、代わりに出かけました。
薬局からの帰り道、いじめっ子たちに追いかけられてしまったジェイソンは車道へ飛び出し、
そのままトラックに轢かれてしまいます。
そして、マーカスは一人になってしまいました。
それにしても、感想を書くのが難しい作品でした~
面白かったのですけど、一言では言い難いものがありました。
出だしから津波の映像に引き込まれ、そこからラストまで色々な人生を見せ付けられます。
不思議なことを体験したけれど誰にも理解されない孤独。
能力があるために普通の生き方が出来ない苦しさ。
そして、どうしても亡くなった人と話したいと思ってしまう願いの難しさ。
それぞれに苦しみがある中で、どうやって終わるのだろうかと考えながら観ていました。
観ている間は気の休まる時が無かったのに、観終った時に何だかほっと笑顔になりました。
帰り道、しばらくこの映画のことを考えてしまうだろうなあと思ってしまった1本です。
監督:クリント・イーストウッド 出演:マット・デイモン セシル・ドゥ・フランス フランキー・マクラレン ジョージ・マクラレン
2010年 アメリカ 原題:HEREAFTER
(20110207)
→公式サイトはこちらへ http://wwws.warnerbros.co.jp/hereafter/index.html追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月19日以降の予定です。