角田光代著の同名小説を映画化したドラマです。
原作もドラマも好評でしたけど、未見のままでした。
今回はじめて知った世界は、子を思う母の深い愛情と、愛を覚えていない子の痛みが心に残る物語でした。
4年の時間は恵理菜の全てを変えていました。
裁判から始まる物語です。
被告人は野々宮希和子(永作博美)で、罪状は当時乳児だった恵理菜(井上真央)を誘拐して
4年間の時を共に暮らしてきたことです。
希和子は以前、恋人である秋山丈博(田中哲司)の子供を身籠りましたけど、
丈博に時期が悪いと言われて中絶したことがきっかけで子供が出来ない身体になってしまいました。
そして、丈博の妻・秋山恵津子(森口瑤子)が産んだ乳児をこっそり見に行った時、連れ出してしまったのです。
希和子は乳児を、自分の子供が出来た時に付けたいと思っていた名前“薫”と呼んで、
我が子として最大の愛情を注いで育てました。
その生活も4年で終わりを迎えます。
希和子は逮捕され、薫は恵理菜と呼ばれて産みの父母の家へ戻りました。
でも、それは恵理菜にとっては母から引き離され、知らない大人に連れて行かれたことと同じでした。
そのまま、ギクシャクした家庭で育った21歳の恵理菜は家を出て一人暮らしをはじめます。
恋した人は、希和子の時と同じく結婚している人です。
生活費を稼ぐためにバイトに明け暮れ、友達もいないまま日々を送っています。
そして、そんな生活の中で行き場のない怒りや人生への行き詰まりを感じている時に、
恵理菜の前にフリーライターと名乗る千草(小池栄子)が現れました…
それにしても、悲しい事件でした(T_T)
もちろん誘拐は悪いことなのですけど、起こしてしまう気持ちは分かります。
また、その4年間の生活は二人にとって幸せな時間だったのです。
子役の女の子がまたとてつもなく可愛くて、二人の幸せそうな姿は印象的でした。
その後、両親の元に戻った恵理菜は愛されることからは程遠い生活を送ります。
そんな恵理菜が、自分が母親になった時に子供を愛せるのかと悩む姿が痛々しかったです。
恵理菜が旅の終わりに愛を見つけた時、彼女は新しい未来を見つけることが出来ました。
見終わった時、恵理菜には素敵なお母さんになって欲しいなと願った1本です。
監督:成島出 出演:井上真央 永作博美 森口瑤子 小池栄子 余貴美子 田中哲司 劇団ひとり 田中泯
2011年 日本
(20110406)
→公式サイトはこちらへ http://www.youkame.com/index.html追伸
この映画は試写会で観ました。公開は4月29日以降の予定です。