観終わった時、とても優しい気持ちになりました~
阪急今津線の電車で出会った人々の心のふれ合いを描いた作品です。
私は関西には修学旅行の京都&奈良しか行ったことが無く、大阪や神戸には足を踏み入れたことも無いくらい
関西には疎いので、実は本を読んでいても町の雰囲気はあまり分かっていませんでした。
映像を観てようやく町の居心地の良さを理解できました(^^ゞ
登場人物は多いです。
まず登場するのが婚約者を寝取られたOL・翔子(中谷美紀)。
彼女は恨みを晴らすために、二人の結婚式に白いドレスで乗り込みました。
その帰りに電車の中で、孫娘(芦田愛菜)を連れた時江おばあさん(宮本信子)と出会います。
その出会いで彼女は人生を変えるきっかけを見つけることが出来ました。
大学生のミサ(戸田恵梨香)は同じ大学でハンサムなカツヤ(小柳友)と付き合い始めます。
デートしていても人から羨まれるようなカツヤにすっかり夢中になった彼女ですけど、
カツヤは次第に本性を現して暴力を振るうようになります。
二人で出かけた電車の中でも、カツヤは些細なことで急に怒って騒ぎ出すと、
ホームで彼女を強く突き放すと去ってしまいました。
膝を擦りむいたミサを助けた時江おばあさんは、彼女に一言だけ言うと去って行きます。
その一言でミサの心は揺れ始めました。
メインのこの二人以外にも、故郷から離れて大学へ入学したものの馴染めないまま過ごしていた
圭一(勝地涼)と美帆(谷村美月)の物語や
地元の関西学院大学に憧れる女子高生と彼女の恋人である社会人の青年の物語、
息子の学校のPTA仲間に馴染めなくて苦労している主婦(南果歩)の物語、
そして、学校の友達に仲間外れにされて泣きそうになっている少女の物語など
様々な人間関係に悩んでいる人々の物語が綴られていました。
それにしても、心が暖かくなる作品でした。
悲しみや苦しみを経験しても、心を切り替えて乗り越えていくと
彼女たちにちょっとだけ幸せがやってきます。
そのきっかけを作ってくれたのが、電車ですれ違った人たちとのささやかなふれ合いなのです。
都会では電車の中の他人を全く無視しないと乗って行くことが出来ないくらいですけど、
この電車では人の表情が見られる距離で乗ることが出来るのですね。
それはちょっと羨ましいなと思いました。
そして、切り替えて前に進もうとする彼女たちの後ろ姿を応援したくなりました。
人の優しさと強さ信じたくなるような作品でした。
台詞のひとつひとつが心に沁みました。
観終わった時、少しだけ心が強くなれるような気がした1本です。
監督:三宅喜重 出演:中谷美紀 戸田恵梨香 宮本信子 芦田愛菜 南果歩 谷村美月 有村架純 勝地涼 玉山鉄二 小柳友
2011年 日本
(20110429)
→公式サイトはこちらへ http://hankyudensha-movie.com/