ペンキの塗装工ディーン(ライアン・ゴズリング)は妻で看護師のシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)と
幼い娘フランキー(フェイス・ワディッカ)を深く愛していた。
だが、彼自身は家族をとても愛している反面、朝からお酒を飲みつつペンキを塗っているような
ちょっとルーズな一面があった。
このところ、妻シンディとの仲は悪化している。
娘を学校へ送りながら病院へ出勤する妻を寝ぼけた顔で見送っているとはいえ
自分は真面目に働いていると自負しているディーンには、妻の不満が理解できないのだ。
そんなある日、飼っていた犬が行方不明になり、数日後に道路脇で事故にあった状態で死んでいた。
娘をシンディの実家に預けた二人は愛犬の遺体を庭に埋めると、二人で遠出のドライブに出た…
あんなに愛し合っていたのに…と観ていくうちに切なくなってきました(T_T)
若い夫婦の愛が壊れるまでを描いた作品です。
心が通い合わなくなった現在の二人と、
出会ってから結婚するまでの愛に溢れた二人を交互に見せながら、
愛があった頃の二人はどれだけ幸せだったかを映し出していました。
特にどちらが悪いという感しではありません。
最終的には酒に酔って妻の職場である病院に乗り込み暴れてしまうようなディーンの行動が
二人の関係を終わらせてしまうのですけど、それはディーンが哀しみの果てに起こした行動です。
映画が始まった頃は、私も何だか頼りない夫だなと思いながら観ていました。
シンディはどうしてこの男と結婚したのかなと。
それが過去に遡った二人を見ているうちに、次第に印象が変わっていきました。
二人が出会ったのは偶然です。
その頃、シンディはボーイフレンドと別れたばかりでした。
ボーイフレンドの方はシンディに未練たっぷりでしたけど、シンディには彼を嫌う理由がありました。
そんな中、彼女はディーンと出会うのです。
落ち込む彼女を優しく抱きとめて明るい笑顔を与えてくれるディーンは
彼女にとって頼りになる男でした。
でも、結婚して数年後の現在、二人の愛は壊れてしまいます。
結婚&出産の中でも勉強に励んで看護師になったシンディと、
家族を愛しつつも、自分に出来うる楽な仕事にしか就かないディーン。
彼女にとってはディーンの向上心のない態度が我慢できなくなったのです(T_T)
それにしても、主演の二人はさすがの上手さでした。
愛が残っていて、なかなか突き放すことの出来ないシンディと
彼女の愛を失うことの辛さに酔うことしか出来ず、それでも彼女を傷つけられないと嘆くディーン。
お互いに優しさと愛を持っているのに、すれ違った心を
どうすることも出来ない辛さを体現していました。
また、愛の喜びを知った頃の二人の笑顔がまた可愛くて、それだけに切なさが胸に来ました。
ラストのポートレートの美しさがとても印象的でした。
観終わった後も、しばらく悲しみに沈んでしまった1本です。
監督:デレク・シアンフランス 出演:ライアン・ゴズリング ミシェル・ウィリアムズ フェイス・ワディッカ マイク・ヴォーゲル ジョン・ドーマン
2010年 アメリカ 原題:BLUE VALENTINE
(20110504)
→公式サイトはこちらへ http://www.b-valentine.com/