巡査の椎名久美(長澤まさみ)に念願の長野県警山岳救助隊への配属が決まった。
早速、山岳救助隊の部屋を訪れた久美だったが、ちょうどその時、要救助者の報告が来た。
登山者がクレパスへ落ちてしまったのだ。
しかも、気温から考えると30分以内に救助しないと命が危ういのに、
今はヘリが出動していて隊員たちが救助に迎えないことが判明する。
みんなが絶望に落ち込んだ時、隊長の野田(佐々木蔵之介)が「三歩がいる」と思いついた。
野田の後輩で救助ボランティアでもある山のスペシャリストだ。
そして、すぐに無線で連絡を取ると島崎三歩(小栗旬)に場所を伝えた。
山頂でのんびりとお茶をしていた三歩は「ここからだと40分かかるなあ。でも行ってみるか」と明るく答えると、
山を駆け下りるように、要救助者のもとへと向かって行った…
高い山からの広々とした風景が心に残りました。
山を愛する男・三歩と山岳救助のために頑張る人々の姿を描いた物語です。
出だしから何度も山で動けなくなった人や滑落して重症を負った人が出てきます。
ちょっとした不注意が事故に繫がるのです。
それはあっという間に人の命を奪います。
小学生の息子・ナオタ(小林海人)と一緒に山へ来た父親(宇梶剛士)が
突然の事故で亡くなってしまうシーンは観ていて辛かったです。
危険と隣り合わせの場所だということを真っ直ぐに伝えています。
物語の中心は三歩と久美です。
二人とも過去に山で身近な人を亡くしています。
それを乗り越えて笑顔で山を愛する三歩と、
登山家たちは命を粗末にしているように感じてしまう久美。
久美のちょっと子供っぽい怒りや無謀な行動を、三歩は温かく見守っていきます。
そして、久美が少し救助隊としての成長を見せたとき、最大の危機が山に訪れてしまいました。
それにしても、山の風景は何ものにも変えがたい美しさを持っていますね~
私も登山家の気持ちはさっぱり分かりませんけど、頂上からの風景には圧倒されました。
苦しい思いをして山に登った時、この風景に出会えたら全てが吹き飛ぶ気がするだろうなと感じました。
そして、主演の二人の頑張りが良かったです。
三歩を演じた小栗旬さんの普段よりも逞しく感じるような存在感と笑顔がいいですね。
また、長澤まさみさんの頑張る姿には応援を送りたくなりました。
エンドロールの後まで美しい風景を堪能できました。
これらの映像だけでもスクリーンで観て良かったなと思った1本です。
監督;片山修 出演:小栗旬 長澤まさみ 市毛良枝 石田卓也 佐々木蔵之介 渡部篤郎 小林海人
2010年 日本
→公式サイトはこちらへ http://www.gaku-movie.jp/index.html