ロンドンの街では、まことしやかな噂が広まっていた。
海賊ジャック・スパロウ船長が“生命の泉”へ向かうために船員を募集しているというのだ。
そして、そのジャックが逮捕されて吊るされるというと聞いた市民は、
彼の処刑を見たさに続々と裁判所へ集まってきていた。
だが、連れられて来たのはジャックの部下ギブス(ケヴィン・R・マクナリー)だった。
別人だと主張する彼に判事は、別人なら処刑はしないが刑務所へ送るという
ちょっと不思議な判決を即座に下してしまった。
その判事こそ、実は変装したジャック・スパロウその人だった…
ジャック・スパロウはやっぱりお茶目な海賊でした。
今回の冒険は“生命の泉”を探す旅です。
前3部作はジャックの思惑とは別にウィルとエリザベスの壮大な愛の物語が描かれていました。
今作は全く違った冒険ストーリーの中で、ジャックとバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)との奇妙な信頼関係や
かつての恋人アンジェリカ(ペネロペ・クルス)との微妙な恋の行方が描かれています。
また、宣教師フィリップ(サム・クラフリン)と人魚シレーナ(アストリッド・ベルジュ=フリスベ)との
純粋な愛の行方も登場します。
そんな中で、それぞれの登場人物の思惑が交差します。
“生命の泉”への地図を手にしていたジャックは、泉が与える寿命が
他人の命を自分のものにすることから生まれると知り、“生命の泉”へ向かうことに躊躇しています。
でも、アンジェリカにとっては、父である海賊・黒ひげ(イアン・マクシェーン)の命を救うために
どうしても必要なものでした。
一方の英国王を味方につけたバルボッサは王の兵士を率いて“生命の泉”へと向かいます。
英国王の命令で泉に向かっている彼も、実は隠された目的を持っています。
そして、同時にスペインの艦隊も何故か“生命の泉”へと真っ直ぐに向かっていました。
それにしても、今回は楽しいゲームのようなエンターテイメント作品でした。
前シリーズのような、暗闇を感じるおどろおどろしいシーンはあまりなく、
愛の物語もちょっと控えめです。
その分、ジャック、バルボッサ、アンジェリカ、黒ひげを演じた役者たちの演技が
魅力的に映し出されていました。
ジャックを演じたジョニー・デップはもちろんのこと、途中に彼と行動を共にするバルボッサを演じた
ジェフリー・ラッシュも、前シリーズよりも楽しそうに見えました。
そして、なんと言っても女海賊にぴったりなペネロペ・クルスが
ルパン三世の不二子のようでキュートでした(^^ゞ
前シリーズと今作とどちらが好きかと言われれば、前シリーズの方がいいかもと思ってしまったのですけど、
エンドロールの後のワンシーンには、やっぱりニヤリとしてしまいました(^^ゞ
これからこの物語が新たな冒険シリーズになるのかなとちょっと期待した1本です。
監督:ロブ・マーシャル 出演:ジョニー・デップ ペネロペ・クルス ジェフリー・ラッシュ イアン・マクシェーン サム・クラフリン アストリッド・ベルジュ=フリスベ ケヴィン・R・マクナリー
2011年 アメリカ 原題:PIRATES OF THE CARIBBEAN: ON STRANGER TIDES
(20110521)
→公式サイトはこちらへ http://www.disney.co.jp/pirates/