1941年パリ。口達者で空想好きなリュシアンは、13歳でくわえタバコをしながら大人と対等に話すような男の子。
ナチスドイツの台頭でユダヤ人は迫害に遭い始めていても、
彼の空想にかかれば愉快な時を過ごすことが出来た。
バーで働くピアニストの父は幼い頃からリュシアンにピアノの英才教育をしていたが
本人は父のレッスンが大嫌いでピアノも上達しなかった。
彼自身は絵が好きで、美術アカデミーでも自分ひとりで好きな空想を巡らせながら
楽しそうに絵を描いていた。
そのまま成長したリュシアンは、美術学校で美しい女性と出会った…
“女性たち”という言葉がぴったりなリュシアンに、全く…と思ってしまいました(^^ゞ
セルジュ・ゲンスブールの派手な女性関係と生き様を描いたドラマです。
彼はませた子供で、ローティーンの頃からタバコを吸いながら絵を描いていました。
彼の絵の方では人気が無かったのですけど、絵を辞めた後に再び引き始めた音楽で才能を発揮します。
バーで作った歌が認められると、彼の周りには歌を求めて歌手や女優が集まり始めます。
それがまた大物ばかり。
ジュリエット・グレコ、ブリジット・バルドー、ジュリエット・グレコ、そしてジェーン・バーキンなど、
一世を風靡した美人の女優&歌手ばかりです。
特にジェーン・バーキンとは幸せな日々も送りましたけど、次第に彼の自由な行動が始まると
その幸せも終わりを迎えました。
映画を観ていて面白かったのは、多くのシーンで登場する彼の相棒のお化けみたいなキャラクターです。
彼は幼い頃にその空想のお化けと出会います。
心が遊びに逃げている時に登場し、いつも一人でいた彼と一緒に遊んでくれるようなお化けです。
(ちょっとだけ「かいじゅうたちのいるところ」を思い出しました。)
普通はそういう空想的なキャラクターは成長と共に消えていくと思うのですけど、
セルジュ・ゲンスブールの場合は大人になっても、ずっとそのお化けが出てくるのです。
もしかしたら彼はずっと幼い頃の心のままで生きていたのかなと感じました。
それにしても、セルジュ・ゲンスブールは本当に女好きですね~
自分の顔にコンプレックスを持っているのですけど、音楽の才能には自信たっぷりです。
そして、歌で女たちを口説きます。
そんな彼に美女たちは見事にどんどん落ちていきます。
その様子は自堕落な雰囲気もするのですけど、何だか憎めない人だなと思ってしまいました(^^ゞ
生き方も映画の雰囲気もフランスらしく、軽快で粋な作品でした。
観終わった時、この人がシャルロット・ゲンズブールの父なのかと改めて思った1本です。
監督:ジョアン・スファール 出演:エリック・エルモスニーノ ルーシー・ゴードン レティシア・カスタ アナ・ムグラリス ミレーヌ・ジャンパノイ サラ・フォレスティエ ダグ・ジョーンズ
2010年 フランス/アメリカ 原題:GAINSBOURG (VIE HEROIQUE)
(20110601)
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公式サイトはこちらへ http://www.gainsbourg-movie.jp/