難民武装事件及び、草薙素子が9課を去ってから2年が過ぎた。
軍事国家のシアク共和国の独裁者カ・ルマ将軍は病室に隔離されていたが、
彼が計画したテロを実行するための部下達は日本へ潜入していた。
ある日、将軍の息子であるカ・ゲル大佐が国際空港で騒ぎを起こしていると9課へ出動要請が来た。
チームリーダーのトグサ(山寺宏一)たちが急行し、人質を取って立て篭もっていたカ・ゲル大佐に近付くと
カ・ゲルはトグサの目の前で自殺をしてしまう。
唯一の手がかりはカ・ゲルの残した“傀儡廻”という言葉だけだった…
近未来に広がる電脳の世界には、深くダークな闇が広がっていました。
神山健治監督作品のS.A.C.シリーズ第3弾です。
このシリーズは、実は頭がこんがらがりそうになりながらも、何故かとても強く惹かれてしまう作品です。
本当に未来に起こりそうな社会的な問題を事件に深く関わらせているからかも知れません。
今回もシステムに繫がれたオートメーションの看護を受けている孤独な老人たちの問題が絡んできます。
電脳化されてシステム化した社会には、いかにもありそうな出来事だけに、ぞっとしながら観ていました。
このシリーズが3Dになったことも気になっていました。
もともと、ネットの世界の描写を初めて観た時は衝撃でした。
今回はそれほど3Dの効果を感じないところもあったのですけど、
電脳とネットの世界の描写は奥行きがあるだけで凄さが増していました~
このシーンを観れただけでも楽しかったです。
それにしても、やっぱり怖い作品ですね。
今作でも現代にも通じそうな社会問題を取り上げていて、それがとても大きな事件へと発展しています。
劇場のスクリーンで目の前に登場すると、その問題と正面で向き合わなくてはという気持ちにさせられます。
それらは華麗なアクションと共に、深く心に残っていきました。
久々に明るいタチコマたちに会えたのも嬉しかったです。
観終わった時、またいつか、このシリーズの新しい物語を観たいなあと感じた1本です。
監督:神山健治 声の出演:田中敦子 大塚明夫 山寺宏一 阪脩 仲野裕 大川透 小野塚貴志 山口太郎
2011年 日本
(20110603)
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公式サイトはこちらへ http://www.ph9.jp/