1944年。ドイツで収容所に送り込まれた少年のエリック・レーンシャーは、母と引き離される悲しみと怒りから
見えない力を出して、離れたところにある門を開けようとした。
その様子を見ていたナチス軍のセバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)は嬉しそうに笑った。
エリックは、彼が長年探していたミュータントの能力を持つ者だったのだ。
ショウはエリックの能力を引き出すために、彼の目の前で最愛の母を撃ち殺してしまう。
その結果、怒りに力を解き放ったエリックは、目覚しいパワーを発揮できるようになった。
同じ頃、英国に暮らすチャールズ・エグゼビアの家に、一人の少女が入り込んだ。
お腹を空かせていた少女はチャールズの母に化けるが、賢いチャールズはその母を偽者だと見破る。
少女はその特異な能力と青い肌で人々に疎まれながら生きて来たのだ。
変身を解いて正体を明かした少女に、もう盗まなくていいからねと彼は優しく微笑んだ。
実はチャールズ自身も特異な能力を持った少年だった…
愛する者を亡くした悲しみや人々に疎まれながら生きてきた怒りが、彼らの人生を変えていきました。
シリーズの中心人物であるプロフェッサーXとマグニートーの誕生秘話を描いた作品です。
何故、マグニートーはこれほど人間を憎むようになったのか。
何故、プロフェッサーXは車椅子の生活を送るようになったのか。
そして何故、心を通じ合えた友人だった二人が違う道を選んだのか。
様々な謎が明かされていきました。
実は観る前は、なんでこの二人がプロフェッサーXとマグニートーに選ばれたのかなと
思っていたのですけど、映画を観たら納得でした。
英国の上流階級に生まれ、社交界に忙しくて疎遠な両親のもとに育ったチャールズ(プロフェッサーX)。
彼の持つ優しさと思いやりは、自分の感じてきた寂しさの裏返しかもしれません。
テレパスであるからこそ自分で課した枷を守り、人の心を大切にしようとするようなキャラクターを演じるのは
ジェームズ・マカヴォイのように柔らかな雰囲気を持った俳優さんが似合うのだなと感じました。
また、目の前で母を殺された憎しみに囚われて孤独に生きてきたエリック(マグニートー)。
スマートで厳しい表情が似合うマイケル・ファスベンダーが演じたマグニートーは
特殊能力を持つミュータントが自分だけではないと知り、プロフェッサーXに心を許し始めます。
中でもプロフェッサーXと二人で仲間たちを探す旅に出るシーンはコミカルで楽しかったです。
だからこそ、自分の憎しみとプロフェッサーXとの友情に揺れる哀しげな姿はとても切なかったです。
ドラマの部分だけでなく、アクションのシーンも見応えがあって面白かったです。
何と言っても、テンポ良く感じられたのが良かったです。
ぜひ、この監督さんと俳優陣で、この作品の続編を作って欲しいなと思った1本です。
監督:マシュー・ヴォーン 出演:ジェームズ・マカヴォイ マイケル・ファスベンダー ケヴィン・ベーコン ジェニファー・ローレンス ニコラス・ホルト ローズ・バーン ゾーイ・クラヴィッツ ジャニュアリー・ジョーンズ ルーカス・ティル ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ エディ・ガテギ アレックス・ゴンサレス
2011年 アメリカ 原題:X-MEN: FIRST CLASS
(20110612)
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公式サイトはこちらへ http://movies2.foxjapan.com/xmen-fg/