ゴーストライターをしている男(ユアン・マクレガー)は出版エージェントと新しい仕事をについて話していた。
エージェントが紹介してきたのは元イギリス首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝で、
前任の執筆者が事故で亡くなったために、急遽代役が必要になったのだ。
前任者の死亡に不吉な予感を感じた男だったが、提示金額の大きさに断ることが出来なかった。
出版社へと出向いた男はラングの秘書らと面接をし、めでたく候補者の中から筆者に選ばれた。
だが早速、その場で渡された原稿の束を持って家へ帰ると、
二人組の強盗に殴られた挙句に盗られてしまった…
ゴーストライターが元大統領の自叙伝を書いていくうちに、次第に大きな危険に巻き込まれていく物語です。
実話ではないと思って観ていても、実話だったら怖いな~と思うような展開でした。
主人公は独身で気ままに生きつつ、ゴーストライターという家業で生計を立てています。
不吉な予感を感じつつも報酬に惹かれて仕事を断れないし、
元大統領やその妻やスタッフたちに良いように使われていても唯々諾々と受け入れるような
どうもビリッとしたところが無い人です。
ただし、仕事は速くて優秀だと自負しているし、今回の仕事も獲得できてやる気はあります。
早速、指示に従って元大統領の居るアメリカへと飛んだ彼は仕事を始めたのですけど、
元大統領にスキャンダル騒ぎが起きてしまい、ろくにインタビューも出来なくなってしまいます。
取り急ぎ仕事を進めなくてはならない彼は、偶然に前任者が隠していた資料を見つけます。
それには元大統領とCIAの繋がりを暗示する写真が入っていることに気付きます。
そして、持ち前の好奇心を出して調査を始めた男は、次第に身の危険を感じるようになっていきました。
それにしても、こんなことがあったら怖いなと思うような物語でした。
CIAと英国政府との繋がりとか湾岸戦争とか設定がちょっとリアルです。
そこに不幸な男が否応無しに巻き込まれてしまいます。
この男がスーパーな人ではなくて普通の人なので、
物語もそんなにテンポ良く展開していく訳ではありません。
でも、そのテンポも含めて私が同じ目線になるにはちょうどいい主人公かもと思いながら観ていました。
そして、明らかになる秘密にはぞっとさせられました。
観終わった時、やっぱり不気味だったなあと思うのと同時に、
こういう映画を創り上げてしまうのがロマン・ポランスキー監督なんだなと感じた1本です。
監督:ロマン・ポランスキー 出演:ユアン・マクレガー ピアース・ブロスナン オリヴィア・ウィリアムズ トム・ウィルキンソン キム・キャトラル
2010年 フランス/ドイツ/イギリス 原題:THE GHOST WRITER
(20110828)
→
公式サイトはこちらへ http://ghost-writer.jp/