利己の利益を貪欲に追い求める人間って罪深いなあとため息が出ました(T_T)
幻の動物タスマニアタイガーを追い求める孤高のハンターを描いた物語です。
マーティン(ウィレム・デフォー)は傭兵上がりのハンターで、
高額な報酬を払えるような企業から依頼を受けては単独で仕事をこなしていました。
今回の仕事は絶滅したとされているタスマニアタイガーの内臓を採取すること。
今年になって目撃情報が噂されていましたけど本当に居るかどうかも分からない動物を探し当て、
しかも、その採取は極秘で行なわなくてはならないという厳しい条件でした。
マーティンは依頼主の用意したパートナーを拒否して単独でタスマニア島に乗り込みます。
依頼主が用意していた部屋は民家の一室で、しかも主人は山に入ったきり行方不明です。
妻はそのショックで寝込み、幼い子どもたちは自力で生活している有り様でした。
マーティンは電気だけでなく大好きなバスルームの酷い状態に嫌気が差して別の宿を探そうとします。
でも、その村では林業を生業にしている男たちと自然保護派の人間が対立しており、
マーティンは大学から調査に来た教授という偽りの身分で来たために、
村の大部分を占める林業派の村人たちに敵対視されてしまいました。
結局、宿は見つからずに元の家に戻って来たマーティンは、次第に一家と仲良くなっていきます。
父親の愛を求めるように懐いてくる子供たちの前には、孤高のハンターも太刀打ちできなかったのです。
母親を睡眠薬漬けから救い、壊れていた自家発電機を修理し、子供たちに笑顔を取り戻します。
そして、その一方で幻だったタスマニアタイガーの消息にも次第に近付いていきます。
でも、その幸せなひと時も、人の欲望の連鎖により壊されていきました(T_T)
それにしても、大自然の風景には圧倒されました。
宿にしている一家との交流を綴る人間ドラマの一方で、人の気配など皆無の原野の姿に
自然の持つ偉大さの前には人間なんて小さいものなのだろうと改めて感じました。
そして、哀しみと苦しみの中で一つの決心をする主人公を演じた
ウィレム・デフォーの鬼気迫る演技には魅せられました。
主人公の哀しみと共に、その行為の罪の大きさと優しさにいろいろと考えさせられました。
観終った時、心がとても静かになった1本です。
監督:ダニエル・ネットハイム 出演:ウィレム・デフォー フランシス・オコナー サム・ニール モーガナ・デイヴィーズ フィン・ウッドロック
2011年 オーストラリア 原題:THE HUNTER
(20120204)
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公式サイトはこちらへ http://hunter-movie.jp/