長岡花火にまつわる歴史を丹念に描いた大林宣彦監督の最新作です。
どんなドラマが展開されるのだろうかと気になったのと、
やっぱり花火はスクリーンで観たいなあと思ってチャレンジしてみました。
戦争の歴史と平和への願いが心にずーんと響くような作品でした。
今、忘れてはいけない心が映し出されていました。
主人公が辿る旅の中に長岡の歴史の物語を散りばめながら、
戦争の哀しい歴史と長岡の花火にかける想いを描いた作品です。
天草で地方新聞の記者をしている遠藤玲子(松雪泰子)は
遠い昔に別れた元恋人・片山健一(高嶋政宏)から1通の手紙をもらいます。
現在、片山は長岡で高校教師をしていて、有名な長岡の花火を見に来ないかと言ってきたのです。
玲子の方から一方的に別れてしまった間柄なので、玲子の心にはまだわだかまりもあるのですけど、
とりあえず健一に会うかどうかは置いといて長岡までは行こうと考えます。
そして、タクシー運転手(笹野高史)や地元新聞の記者(原田夏希)に案内されながら、
長岡の花火にまつわる歴史を辿り始めました。
物語は玲子や健一、そして遠い時代から時間を飛び越えてきたような女子高生・元木花(猪股南)が
進行役になりながら、ゆっくりと丁寧に進んで行きます。
時々その丁寧さと長さに情報が多すぎる~と思うこともありましたけど、
その分じっくりと、長岡を襲った戦争の歴史を知ることが出来ました。
そして使われた兵器の恐ろしさや、無意味に人を殺していくことの残酷さを改めて思い知りました。
花火の美しさがスクリーンに広がると同時に、この美しさに込められた想いの強さを実感しました。
いつまでも祈りを込めた花火が続いていきますように、そしてその祈りがちゃんと伝わっていきますようにと
願わずにはいられなかった1本です。
監督:大林宣彦 出演:松雪泰子 高嶋政宏 原田夏希 猪股南 寺島咲 富司純子 柄本明 笹野高史 筧利夫
2012年 日本
(20120523)
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