笑顔までもが危うい感じでした。
自分の心を満たすために銀行強盗を行なう男の物語です。
トーマス・クラウン(スティーヴ・マックィーン)は頭が切れ事業を成功させている裕福な男ですけど
いつも満たされない心を抱えて息苦しさを感じながら生きていました。
そんな彼が心からの笑顔を見せるのは、自分の計画した銀行強盗が成功した時です。
綿密な計画を立て、自分は姿を見せないまま連絡を取り、男たちを使って強盗を実行します。
そして警察を欺きながら、まんまと大金を手に入れるのです。
家に帰って一人くつろぐ部屋の中には、彼の満足した笑い声が響いていました。
でも、強盗により最終的に損害を被ったのは保険会社でした。
保険会社は曲者だけど腕が良いビッキー・アンダーソン(フェイ・ダナウェイ)を送り込んできます。
早速、ビッキーはエディ・マローン警部補(ポール・バーク)と協力して犯人像を分析したところ
トーマス・クラウンが浮かび上がってきます。
直感的に犯人だと確信したビッキーは、堂々と会いに行き強盗事件を調査していると告げますが、
トーマスは事件が全く他人の出来事であるかのように、普通の態度で彼女に接します。
そんな二人は互いに本心を隠しながらも、運命のように急速に近付いていきました。
それにしても、スティーヴ・マックィーンのための物語のようでした~
裕福でお金には不自由していないのに銀行強盗を企むような危うい雰囲気がぴったり(^^ゞ
度胸の良さといたずらっ子のような笑顔ならではのキャラクターですね。
そして、そんな彼と対峙するフェイ・ダナウェイも全身から魅力を振りまいていてとても綺麗でした。
主題歌の「風のささやき」が流れてきた時、何となくヨーロッパ映画のような雰囲気を感じました。
観終った時、最後まで笑顔を見せてくれたスティーヴ・マックィーンの魅力に圧倒されたと同時に
この邦題は好きだなあと思った1本です。
監督:ノーマン・ジュイソン 出演:スティーヴ・マックィーン フェイ・ダナウェイ ポール・バーク ジャック・ウェストン
1968年 アメリカ 原題:THE THOMAS CROWN AFFAIR/THOMAS CROWN AND COMPANY
(20120607)