“生きて”というシンプルな言葉が胸に響きました。
五代将軍の綱吉(菅野美穂)の時代を男女逆転の世界で描いた物語です。
江戸時代になると京の公家は厳しい家計を強いられていて、男がその貧しさから脱するには
大奥に入るのが一番の道でした。
そんな中、綱吉の御台所(宮藤官九郎)の策略で、大奥に京都から一人の男が呼び寄せられました。
その男・右衛門佐(堺雅人)は家光の時代に大奥の総取締役となった有功に瓜二つで、
見る者に驚きを与えていました。
ただし、貧しい暮らしをしてきた右衛門佐は向上心が強くてしたたか者でした。
彼を敵視している者たちは次々と翻弄されていきます。
彼をやり込めようとしても、逆に手玉に取られてしまうのです。
そんな右衛門佐の噂を耳にした将軍が、ついに彼と対峙します。
そして、何が望みかと問いただしました。
それにしても、この物語の綱吉は本当に哀しい女性でした。
大切な一人娘を病気で亡くした後、将軍として世継ぎを産むことを強いられます。
悲しみにくれる間も無く、それを唯一の仕事とさせられるのです。
しかも、どうしてもその願いは叶いません。
そんな中、父親の執念に引きずられていく様子には、痛々しいとしか言えません。
そして、そんな人生の果てに疲れ果てた綱吉に寄り添う右衛門佐の姿も切なかったです。
絶望の中で右衛門佐が綱吉に告げた言葉が強く心に残りました。
観終った時、王家とか将軍家とか、どこの国も統治者の家は大変だなあとしみじみと思った1本です。
監督:金子文紀 出演:堺雅人 菅野美穂 尾野真千子 柄本佑 田中聖 要潤 桐山漣 竜星涼 満島真之介 郭智博 永江祐貴 三浦貴大 市毛良枝 由紀さおり 堺正章 宮藤官九郎 西田敏行
2012年 日本
(20130113)
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公式サイトはこちらへ http://ohoku.jp/index.html追伸
今日はトーキョー女子映画部さんの試写会でもう一度見てきました(^^)
物語を追うのが中心だった1度目の鑑賞とは違って改めて観ると、
菅野美穂さんの演技の上手さと存在感に圧倒されますね。
正しく天下の将軍というオーラでめちゃくちゃ美しかったです~
これはもう、右衛門佐(堺雅人)が惚れ込んでしまうのも納得ですよね。
右衛門佐が一世一代の告白をする時にはドキドキしてしまいました☆
(20130513)