ダスティン・ホフマンが監督として創り上げたヒューマンドラマです。
予告編を観て、大御所たちの笑顔と音楽が楽しそうだなあと気になっていました。
穏やかな田園風景の中で繰り広げられる細やかな人間関係に心がほっこりするような作品でした。
クラシック音楽もこんな人たちの間にあると楽しいなあと思いながら観ていました。
美しいクラシック音楽の溢れる朝の風景から始まる物語です。
元音楽家たちが集う老人ホーム「ビーチャム・ハウス」では、いつも様々な場所で音楽が奏でられています。
年に一度のペースで開かれているハウス主催のコンサートの準備に勤しんでいるのです。
ビーチャム・ハウスは寄付などで運営されています。
経営収支が悪化する中、今年のコンサートが成功しなかったら閉鎖になるかもと噂されていました。
それだけにみんな力が入っていて、演奏する曲目の選択にも力が入っていました。
ただし、今日はそれだけではなくて、何となく雰囲気が違います。実は新入りが入ってくる予定なのです。
このホームでも緩やかに人の出入りがあります。
普通は朝の朝食時にでも発表があるようなものなのですけど、
何故か今回は誰が入ってくるかは秘密のようで、誰にも知らされていません。
そして、入ってきた新入りは、かつて大スターだったジーン(マギー・スミス)でした。
それにしても、本当にみんな生き生きしていました(^^ゞ
もちろんリタイアした人たちなので、身体的にはいろいろな問題を抱えています。
病気を抱えている人がほとんどですし、声も指も昔のようにはいきません。
でも、音楽を奏でている時は本当に楽しそうです。
それもそのはずで、実はエンドロールを観るとメインのキャスト以外はみんな名の知れた音楽家でした。
美しい歌声や素晴らしい演奏を聞かせてくれたのも納得です。
そして、その音楽に囲まれるように、優しい愛と友情の物語が紡ぎ出されていました。
今回は監督に専念したダスティン・ホフマンがこの優しい物語を創りたかったのも
ちょっと分かるなと思いました。
観終った時、前に観た『
マリーゴールド・ホテルで会いましょう』よりも穏やかですけど、
その分、じんわりと感じるものがあるなあと思った1本です。
監督:ダスティン・ホフマン 出演:マギー・スミス トム・コートネイ ビリー・コノリー ポーリーン・コリンズ マイケル・ガンボン
2012年 イギリス 原題:QUARTET
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公式サイトはこちらへ http://quartet.gaga.ne.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開予定は4月19日以降の予定です。