今年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したイタリア映画です。
その他にも色々な映画賞を受賞している作品と聞いていたので気になっていました。
65歳の主人公と共に歩くローマの街は、不思議な魅力に溢れていました。
浅い夢を見たようなひと時を過ごした気分になりました。
主人公の誕生日から始まる物語です。
今日のローマの社交界は賑わっています。セレブの重鎮で作家&ジャーナリストの
ジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルヴィッロ)の65歳の誕生日パーティが開かれているのです。
有名人から今は何でも無いただの人まで、様々な人々が狂乱の時間を楽しんでいます。
でも、ジェップはそんな賑やかさから一歩引いて、彼の時間を過ごし始めます。
ローマの街は現代的な喧騒の場所もあれば、古代の文化がそのまま残っている場所もあります。
彼はそのどちらも愛しています。
そして、気分によって漂うように、自在にローマの街を歩き始めました。
それにしても、ファンタジーではないのに夢の世界へと誘われたような、不思議な感覚になる作品でした。
様々な想いが交差していくのですけど、明確に主張されている訳ではありません。
色々な人の表情と会話から感じ取っていくだけです。
そんな作品の一番の主人公はローマの街なのかも知れませんね。
そして、そんな街と共に生きてきた主人公も不思議な雰囲気を纏っている人でした。
雑多な変化と不動の存在が混在する街で生きている彼の心の奥底にあるのは、初恋の想い出です。
その美しさは何ものにも変えがたく輝いています。
その輝きには観ている者の心も動かされてしまうなあと感じました。
そして、不思議な物語の余韻はその美しさで満たされていました。
正直、この映画が分かるかと言われたら、分からないかも知れないなと感じました。
観終った時、65歳になったら分かる映画なのかもとちょっと思った1本です。
監督:パオロ・ソレンティーノ 出演:トニ・セルヴィッロ カルロ・ヴェルドーネ サブリナ・フェリッリ カルロ・ブッチロッソ イアイア・フォルテ
2013年 イタリア/フランス 原題:LA GRANDE BELLEZZA/THE GREAT BEAUTY
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公式サイトはこちらへ http://greatbeauty-movie.com/→
イタリア映画祭2014公式サイトはこちらへ http://www.asahi.com/italia/2014/works.html追伸
この映画はイタリア映画祭2014で観ました。公開は2014年8月23日以降の予定です。