本当にタイトルのままの物語でした(^^ゞ
中学一年生の杏奈(高月彩良)はいつも1人でいました。
彼女は自分のことを輪の外にいる人だと思っており、
いつも不機嫌で人の輪に入れない自分のことを大嫌いだと思っていました。
美術の野外授業で公園の様子をスケッチしてしながら、自分を嫌う気持ちを強く感じた時、
彼女は喘息の発作を起こしてしまいました(T_T)
杏奈は幼い頃から喘息に苦しんでいました。喘息にはストレスも影響があります。
両親の亡くなった杏奈を幼い頃から育ててきた頼子(松嶋菜々子)は、
そんな彼女の姿を見て心を痛めていました。
心身ともに弱っている杏奈を診た医者が療養を勧めたことから、
彼女は都会の札幌から東へと向かい、海辺の小さな町にいる親戚の家でひと夏を過ごすことになりました。
丁寧な挨拶は出来ても表情の乏しい杏奈を大岩夫妻(寺島進、根岸季衣)は温かく迎えます。
いつも明るい笑顔で大らかな二人は、心配性の育ての親の頼子とは大違いです。
でも、1人で居ることに慣れている杏奈にとって、二人のスタンスは居心地の良いものでした。
着いた当日、郵便を出しに行った時、偶然に入り江の向こう岸の古い洋館を見つけた彼女は、
その夜、不思議な夢を見ました。
それにしても、杏奈の台詞の一つ一つが心に響いてくる物語でした。
自分を愛してくれる人はいないと考え、失った愛に呼応するように自分を嫌いになっていた杏奈。
彼女の心のつぶやきは、いつも攻撃的でとても痛々しいです。
そんな彼女はデジャブのように感じる古い洋館に惹きつけられます。
そして、そこで幼い頃から大切にしてきた人形にそっくりな少女マーニーと出会います。
昼間は廃屋のような洋館が、潮が満ちた夕方になるとマーニーの暮らす立派なお屋敷へと変わるのです。
その不思議を当たり前のように受け入れていく杏奈の姿はとても危うく見えます。
でも、そんな不思議な世界の中で、あなたが好きだと言ってくれるマーニーの存在に
杏奈は癒され、誰にも言えなかった心を開いていきます。
やがて、お互いに自分の本心を語れるようになってマーニーと自分の境遇を知った時、
実は杏奈にも愛してくれる人がいることに気付き始めました。
深くて強い愛を感じる物語でした。
そして何と言っても、絵も声も物語もとてもきれいで可愛くて美しかったです。
エンディングの歌と風景に癒されながら、幼い頃にこんな素敵な映画に出会える子供たちは
幸せだなあとちょっと思った1本です。
監督:米林宏昌 声の出演:高月彩良 有村架純 松嶋菜々子 寺島進 根岸季衣 森山良子 吉行和子 黒木瞳
2014年 日本
(20140719)
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公式サイトはこちらへ http://marnie.jp/index.html