ロビン・ウィリアムズ演じるショーンの懐の深さに泣かされました~
一人の青年の日常から始まる物語です。
ウィル・ハンティング(マット・デイモン)はマサチューセッツ工科大学で清掃の仕事をしている青年です。
彼は静かな放課後の廊下でひとり黒板に目を向けました。
黒板に書かれた未解決の数学の問題に気を惹かれたのです。
その夜、彼は友達の誘いを断り家へ帰ると、その問題に取り掛かりました。
翌日、ウィルは再び黒板の前に立つと、おもむろに答えを書き始めます。
それは今まで誰も解くことが出来なかった難問で、数学を教えるランボー教授(ステラン・スカルスガルド)が
これが解ければ未来は約束されると生徒たちに出した問題でした。
解答が出たことを知ったランボー教授は自分の授業で解答者を尋ねますが誰も居ません。
それからしばらくたった放課後のこと。彼は別の問題の答えを書くウィルの姿を見かけました。
ウィルは教授に声をかけられると、すぐに逃げてしまいます。
教授はいたずら書きをしていると思ったのですけど、ウィルの書いていた答えが正解だと知ります。
でも、ようやく正体の分かったウィルは子供時代に親に虐待を受け、
その後は里親をたらい回しになっていて逮捕歴も数多い問題児でした。
それにしても、この作品、ロビン・ウィリアムズが登場するまでちょっと時間がかかるのですね。
ロビン・ウィリアムズ扮する心理学者ショーンはランボー教授の学生時代の同窓生です。
ただし、二人の間には長年のわだかまりがあります。
なので、何人ものカウンセラーが投げ出した挙句に、ようやくウィルのカウンセリングを依頼されます。
でも、ロビン・ウィリアムズが登場するとその柔らかくて大きな存在感が、
きっと捻くれたウィルの心を動かしてくれるだろうと思えてくるところはさすがです。
その予感通りにショーンはウィルと真剣に向き合い、時間をかけて彼の心を開かせます。
そして、それはウィルが子供の頃から抱えていた悲しみから解放すると同時に、
ショーンの持っていた喪失感と悲しみを解き放つことにも繫がって行きました。
この作品が脚本になってから映画化まで何年もかかったと後で知りました。
本当に映画になって良かったと思うのと同時に、この優しいロビン・ウィリアムズの笑顔に会えるのも
「ナイトミュージアム」の新作で終わりなのだなと思うととても寂しかったです。
心よりご冥福をお祈りいたします。
監督:ガス・ヴァン・サント 出演:マット・デイモン ロビン・ウィリアムズ ベン・アフレック ミニー・ドライヴァー ステラン・スカルスガルド コール・ハウザー ケイシー・アフレック
1997年 アメリカ 原題:GOOD WILL HUNTING
(20140815)