さだまさし著の同名小説を大沢たかお主演&三池崇史監督で描いた作品です。
モデルのいる物語だと聞いて、どんな先生なのだろうと気になっていました。
小説の元となった歌と共に、主人公の笑顔が心に残るような作品でした。
本当に生きていて欲しいなあと思ってしまいました。
ケニアにある大学病院の研究施設では、今日も治療を求める患者たちが来ていました。
本来なら研究をするために赴任してきた医師も、患者を前にしては医療活動の方へ力を注いでしまいます。
医療不足のこの国では頼られるのも仕方の無いことでした。
そんな中、大学病院からケニアの研究施設へ2人の若い医師が派遣されて着ました。
でも、そのうちの一人、島田航一郎(大沢たかお)は数日遅れての到着となってしまいました。
実は朝寝坊して飛行機に乗り遅れたのです。
連絡も無く未着なのを心配していた村上所長(石橋蓮司)は怒りつつも呆れるしかありませんでした。
出だしから評価を落としてしまった航一郎でしたけど、仕事を始めると同僚は彼の力を見直し始めます。
手術の腕が良く、頼まれ仕事は“ミスター大丈夫”と言われるほど引き受けていく彼は、
その明るさで人気者になっていきました。
そんな航一郎に、もう少し危険な地域にある病院への派遣の指令が来ます。
ひと月という期間だからと気軽に派遣先に行った彼は、戦いによって傷付いた子供たちの姿にショックを受けました。
それにしても、大沢たかおさんが歌の小説化を切望したのもわかるなあと感じる物語でした。
彼の存在感が本当に物語を力強く伝えてくれるのです。
少年の頃、シュバイツァーの伝記に感銘を受けて医師になった航一郎。
そんな主人公が夢でもあったケニアでの医療に従事する姿には、ケニアの状況の過酷さと共に
彼の前向きな行動力の大切さを伝えてくれました。
彼の笑顔が戦いで傷付いた子供たちの心をどれほど癒してくれたのかと思うと、
本当に大切な人だったのだなと改めて感じました。
頑張れという言葉は他人にではなく自分に向かって言うもものだという主人公の言葉が心に残りました。
観終った時、この主人公にモデルが居たと知って、さらに切なさが心に滲みこんできた1本です。
監督:三池崇史 出演:大沢たかお 石原さとみ 真木よう子 萩原聖人 鈴木亮 藤谷文子 中村久美 山崎一 石橋蓮司
2015年 日本
(20150314)
→
公式サイトはこちらへ http://kaze-lion.com/