売れない作家メルヴィル(ベン・ウィショー)がある宿屋を訪ねてくるところから始まる物語です。
その宿屋の亭主トーマス・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)は30年ほど前に
何人もの犠牲を出して帰還したエセックス号の最後の生き残りです。
メルヴィルはニカーソンの語る実話をもとに小説を書こうとインタビューをするために訪れたのです。
でも、ニカーソンはインタビューを拒否します。
彼にとって、その体験を言葉にするのは、あまりにも辛いことだったのです。
それでも、妻から説得されたニカーソンはメルヴィルにしぶしぶながら語り始めます。
それは、孤児だったニカーソン(トム・ホランド)が14歳で出会ってしまった、魂を揺るがすような体験でした。
それにしても、19世紀当時の船乗りの過酷さは想像以上ですね。
特に船長が未熟だと、あっという間に死と隣り合わせになります。
少年ニカーソンの乗ったエセックス号も船長が名士の息子ポラード・Jr(ベンジャミン・ウォーカー)で
航海早々、その未熟さを露呈します。
一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)の助言に聞き耳を持たず、嵐へ突っ込むのです。
船はダメージを受け死者も出て、元々仲の悪かった船長と一等航海士は最悪の仲になりました。
そんな二人がそれでも我慢して航海を続けたのは、樽を鯨油でいっぱいにして故郷へ帰るためです。
出航から数ヶ月が過ぎでも鯨には出会えなかったエセックス号でしたけど、
立ち寄った港で4800キロ離れた漁場で鯨の群れを見たという耳寄りな情報を聞きつけます。
でも、そこには人の腕を食いちぎるような悪魔並みの白鯨が待っていました。
それからの鯨との闘いよりも、闘いの後の行程が観ていてもしんどかったです。
役者陣の演技の素晴らしさと迫力ある映像は見応えがありましたけど、
この航海がこんなに大変な事態になるとは思っても観ませんでした(T_T)
観終った時、これが実話から作られた物語ということを思い出してためいきをついてしまった1本です。
監督:ロン・ハワード 出演:クリス・ヘムズワース ベンジャミン・ウォーカー キリアン・マーフィー トム・ホランド ブレンダン・グリーソン ベン・ウィショー
2015年 アメリカ 原題:IN THE HEART OF THE SEA
(20160117)
→
公式サイトはこちらへ http://wwws.warnerbros.co.jp/hakugeimovie/