女神と天使のようなカップルでした。
テレーズ・ベリベット(ルーニー・マーラ)の朝の風景から始まる物語です。
その寒い朝も、テレーズは恋人リチャード(ジェイク・レイシー)の迎えで職場のデパートへと向かいました。
クリスマスを間近に迎えたデパートは朝からお客様でいっぱいです。
玩具売場担当のテレーズがそんな様子を見ていた時、一人の女性を目に留めました。
その女性キャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)は4歳の女の子のプレゼントを買いに来たところでした。
でも、希望のベビードールは人気で品切中で、今から注文するとクリスマスに間に合いません。
困ったキャロルはテレーズに、あなたが4歳の頃に欲しかったものは?と問いかけます。
幼い頃のテレーズが欲しかったのはレールの上を走る汽車でした。
その答えを聞いたキャロルは限定モデルだという汽車のセットの購入を決めます。
でも、キャロルが去った後のカウンターには、皮の手袋が忘れられていました。
テレーズはその手袋をどうしようかと考え、結局、家へ郵送することにしました。
汽車のセットは配達だったので、住所と名前は分かっていたのです。
間も無く、デパートの売場にテレーズ宛の外線電話がかかって来ました。
お礼の電話を掛けてきたキャロルは郵送してきたのがテレーズだと知ると、ランチを誘います。
テレーズは初めてのことで戸惑いながらも、ランチを約束することにしました。
それにしても、美しさと優しさを感じるような作品でした。
心に添わない結婚生活に苦しんでいる女神のように美しい夫人と、
真実の愛に出会っていなかった天使のような女性の出会いの物語。
本当は苦しくて厳しい現実の中で人生を彷徨っている主人公たちの物語なのですけど、
演じる二人の美しさと主人公キャロルの愛の深さに魅せられてしまいました。
1950年代なので、同性同士の愛は罪になる時代です。
でも、彼女たちを理解できない人が、君を愛しているとどれほど訴えても心に響いてきません。
本当の愛は求めるだけではなく、相手を解放するものだと知ってしまったのです。
そんな二人の人生は心をとき放す方へと向かっていきました。
観終った時、二人の女優の繊細な演技と表情が心に残った1本です。
監督:トッド・ヘインズ 出演:ケイト・ブランシェット ルーニー・マーラ サラ・ポールソン カイル・チャンドラー ジェイク・レイシー
2015年 イギリス/アメリカ 原題:CAROL
(20160122)
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公式サイトはこちらへ http://carol-movie.com/追伸
この映画はジャパン・プレミアで観ました。公開は2月11日以降の予定です。
追伸2
ジャパン・プレミアにはケイト・ブランシェットが登壇しました。
今回は客席内を横断している通路をレッドカーペットとして歩いて登場したので、本当に間近で姿を見られました。
美しかったです~ うっとりしてしまいました。
歩いている間は写真OKだったのですけど、私のガラケーではどうも…
そこはプロに任せてしまおうと、自分の眼で観ることに専念してしまいました(^^ゞ
ラストで劇場に上げられた大きなバルーンの中からチョコレート入りの風船が舞いました。
帰りに出口で貰ったのが写真の風船です♪