古谷実著の同名コミックを吉田恵輔監督が森田剛主演で映画化したサスペンスです。
もの凄く大変な作品とは聞いていたのですけど、根性を入れて観てみようとチャレンジしました。
その根性も砕け散るようなハードなシーンに圧倒されてしまうような作品でした。
誰もが微妙に変でリアルでした。
岡田進(濱田岳)の日常から始まる物語です。
清掃会社に勤める岡田は先輩の安藤(ムロツヨシ)と現場でひたすら床やガラスを磨く毎日です。
うだつの上がらない先輩でしたけど、先輩風を吹かせている安藤に岡田はいつも頭が上がらず、
ごり押しをされると結局は安藤の言うことを大人しく聞いてしまいました^_^;
ある日、岡田は安藤に恋の相談をされます。行きつけのカフェの店員に一目惚れしたのです。
でも、安藤はその想い人を見張っているようにいつもカフェに座っている男が気になっていました。
安藤は岡田にその男を示すと、彼がストーカーか確かめて来いと言います。
その男を見た岡田は、高校卒業以来会っていなかった同級生の森田(森田剛)だと気付きました。
それにしても、森田の行動が凄まじ過ぎました~
高校生の時にいじめられっ子だった頃に起きたある出来事により、心を壊してしまった森田。
彼は自分の恋する子をかつての同級生・岡田に取られてしまい、さらに壊れてしまいます。
その壊れ方が尋常ではありません…
思わず、昔見た外国の映画の、マフィアが裏切った金持ち一家を惨殺するシーンを思い出しました(T_T)
あと、うだつの上がらないダメダメコンビの日常も、今の森田の異常さと過去の森田の姿も
映し出されるシーン全てがリアルに伝わって来ました。
もちろん演技も演出も良かったですけど、このキャラクターにこのキャストというのがぴったり。
他の誰が演じてもこのリアルさは出てこないだろうなと感じました。
中でも今回、森田が再び壊れてしまう原因となったカフェの店員・阿部を演じた
佐津川愛美さんの存在感が印象に残りました。
映画としては見応えのある作品でしたけど、殺人シーンや無残な遺体は記憶から消したいくらいでした。
観終った時、現在進行形のいじめっ子たちはこの作品を観たら何を感じるのだろうと考えたのと同時に
純粋に凄い映画だったなあとため息を付いた1本です。
監督:吉田恵輔 出演:森田剛 濱田岳 佐津川愛美 ムロツヨシ 駒木根隆介 山田真歩
2016年 日本
(20160614)
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