トルコを舞台に美しい5人姉妹の運命を描いた美しくも切ないドラマです。
予告編を観て、なんて無邪気に笑っているのだろうと一瞬で引き込まれてしまいました。
平和な家があっという間に牢獄へと変わってく展開に、胸が痛くなりました(T_T)
厳しい現実に追い込まれていく少女たちの姿に、生まれた国と宗教でこうも人生が変わるのかと思いました。
イスタンブールから遠く離れた小さな村に、両親を亡くして祖母のもとで暮らす5人姉妹がいました。
夏休みを控えた学校の終業式の日も、彼女たちは同級生の男の子たちと海で遊んでいました。
制服が濡れるのも気にせずに水を掛け合ったり騎馬戦をしたりと、無邪気なだけの楽しい時間です。
でも、帰宅すると祖母が激怒していました。
ご近所の老婆が彼女たちの行為をふしだらだと祖母に言い付けたのです。
傷ものになっては嫁に行けなくなると、姉妹たちを戒めます。
さらに、彼女たちの叔父は姪たちの行為を厳しく叱り、許可無く家から出ることを禁止してしまいました。
それにしても、姉妹たちの暮らす世界は本当に女性たちに自由を与えない世界ですね。
それまで普通に学校へ通っていた5人姉妹は学校へ行くことも禁止され、次第に塀は高くなり、
窓には格子がはめられて、完全に牢獄のようになっていきます。
そんな中、長女から親族同士の決めた家へ嫁がされる展開には胸がつまりました。
特に次女の全てを諦めたような表情と、三女の選んだ運命には何とも言えない気持ちになりました。
それでも、運命に抗って自分の道を開こうとする13歳の末っ子は元気で可愛かったです。
牢獄と化した家に内側から鍵を掛けて、逆に篭城してしまうなんて笑ってしまいます。
そして、計画と周到な準備で努力していく姿には思わず応援したくなりました。
彼女に手を貸してくれるトラック運転手の若者がいい奴で良かったなあとほっとしました。
見終わった時、キラキラと青春を謳歌していた5人の笑顔をずっと心に残していたいと願った1本です。
監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン 出演:ギュネシ・シェンソイ イライダ・アクドアン ドア・ドゥウシル トゥーバ・スングルオウル エリット・イシジャン ニハル・コルダシ アイベルク・ペキジャン
2015年 フランス/トルコ/ドイツ 原題:MUSTANG
(20160611)
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