ティムール・ヴェルメシュ著のベストセラー小説を映画化したブラックなコメディです。
予告編を観て気になっていたところ、この日は午前中にフランス映画祭を観て、
もう1本と探したら、ちょうどこの作品と時間が合ったのでチャレンジしてみました。
考えれば考えるほどブラックな物語に、ぞっとしてしまうような作品でした~
同じ日に観た「
奇跡の教室」と両極端なチョイスになってしまいました^_^;
テレビ局に勤めるファビアン(ファビアン・ブッシュ)は映画監督を目指す若者です。
でも、テレビ局は人気番組の視聴率が落ちて経営不振なため、気が弱くて仕事の要領が悪い彼は、
あっさりとクビを言い渡されてしまいます。
そんな中、新しいネタを探していたファビアンはネットで話題になっているヒトラーのそっくりさんを見つけます。
実物を見た彼はそのソックリ度に驚き、早速、彼を使ってテレビ番組を盛り上げられないか考えます。
そして、元上司のクリストフ(クリストフ・マリア・ヘルプスト)にそっくりさんを会わせると
そのまま新局長カーチャ(カーチャ・リーマン)の命令で人気トーク番組のゲストに呼ぶことになりました。
それにしても、じわじわと怖くなる作品ですね~
ヒトラー自身は本物なので、彼の押し出しの良い存在感と言葉の巧みさはさすがです。
そして、誰もが喜劇役者かタレントかと思い、彼の言動に惹かれていきます。
そんな展開が笑えると同時に怖かったです。
ヒトラーの主張の中に、弱いこの国を自分がイニシアチブを取って強くするという感じの言葉があって
それって、どこかの政治家の主張で聞いたことがあるなあと思ったり、
人種差別は当たり前という主張に、またどこかの大国で言っている人がいるなあと思ったり。
そんなことをつらつら考えるほどに怖くなってしまいました(-_-;)
この物語の行く末はきっと何かが間違っていると感じたのですけど、
それが何か上手く言えないなあと思ってしまいました。
観終った時、しばらく心の中でモヤモヤした塊が残っていそうだなあと感じた1本です。
監督:デヴィッド・ヴェンド 出演:オリヴァー・マスッチ ファビアン・ブッシュ クリストフ・マリア・ヘルプスト カーチャ・リーマン フランツィスカ・ウルフ ラルス・ルドルフ
2014年 ドイツ 原題:ER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK
(20160627)
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公式サイトはこちらへ http://gaga.ne.jp/hitlerisback/