重松清著の「ファミレス」をもとに脚本家でもある遊川和彦監督が創り上げた夫婦の物語です。
予告編を観て、お似合いの夫婦にみえるのにどうなっちゃうの?と気になっていました。
ファミレスから始まってファミレスに終わる物語は、心がほっとするような優しさを伝えてくれました。
中学校教師の宮本陽平(阿部寛)は妻の美代子(天海祐希)とファミレスで食事を取ろうとしていました。
でも、陽平は子供の頃から注文を決めるのが苦手で、どんなに時間を掛けても決められません。
最終的には妻の先導で注文を終えるのが常でした。
食事を終えて家へ帰ったところ、美代子からワインを飲もうと誘われます。
実は今日は一人息子が結婚して福島で就職し、夫婦二人の生活が始まった最初の日なのです。
いい調子で飲んでいた美代子は、これからはお互いをお父さんお母さんではなく名前で呼ぼうと言い出しました。
妻の変化に戸惑いながらも、陽平はしぶしぶ了承します。
でもその夜、書棚にあった想い出の本『暗夜行路』を偶然に手にした彼は、
そこに妻の署名済みの離婚届を発見してしまいました。
それにしても、本当に優しさを感じる作品ですね。
陽平が優柔不断なだけに、一体どうなるのだろうと不安になったりもするのですけど
ちゃんと前向きな行動をとっていくような展開が楽しかったです。
また、予告編でも陽平が衝撃を受けている離婚届。
この離婚届の意味が分かった時、美代子の気持ちが分かるなあと感じました。
この年代は、誰もが自分に不安を感じる年頃なのかも知れません。
でも、その壁をしっかりと乗り越えた宮本夫婦の姿にほっとしました。
色々な映画が創られますけど、こういうほっとするドラマ作品はありそうであまり無い気がします。
観終った時、とても穏やかな気分でニッコリした1本です。
監督:遊川和彦 出演:阿部寛 天海祐希 菅野美穂 相武紗季 工藤阿須加 早見あかり 入江甚儀 佐津川愛美 浦上晟周 紺野彩夏 奥貫薫 佐藤二朗 富司純子
2017年 日本
(20170226)
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