バスティアン・ヴィヴェス著のグラフィックノベルを原作に、ダンサーを目指す少女の成長を描いた青春映画です。
主役を演じたアナスタシア・シェフツォワの強い視線に惹かれてチャレンジしてみました。
ロシアの労働階級の家庭に生まれた一人娘のポリーナ(アナスタシア・シェフツォワ)は踊るのが大好きな女の子。
彼女に深い愛情を注いでいる両親は、家計をやり繰りして娘にクラシックバレエを習わせ始めました。
真面目なポリーナは練習を重ね、ボリショイ・バレエ団への入団を決めるまでに上達しました。
舞台に立つ娘の姿を観るのが夢だった父も母も喜びます。
でも、入団前に観たコンテンポラリーダンスの舞台に惹かれた彼女は、そのバレエ団のある南フランスへと
恋人と共に向かってしまいました(-_-)
それにしても人の動さが印象的な作品でした。
上映後のQ&Aで自らも振付家のアンジュラン・プレルジョカージュ監督は、
言葉ではなく身体の表現で作品を伝えたかったみたいなことを言っていました。
全体的に台詞は多くないのですけど、その分、ドキュメンタリーのようにポリーナを追っていく映像は
彼女の心情を余すことなく伝えてくれました。
そして、何と言ってもダンスシーンが最高です。
ポリーナが幼い頃から学んだ優雅な美しさの中に感情を込めて踊るクラシックバレエも、
感情をダイレクトに表現していくような激しさを前面に出すコンテンポラリーダンスも素敵でした。
(ジュリエット・ビノシュがこんなに踊れる人だとは知らなかったので驚きました。)
そして集大成と言えるラストのダンスは圧倒的で、ずっと観ていたくなるほど素晴らしかったです。
途中、都会を迷走するように道を失いかけるポリーナの姿は観ていて辛かったですけど
ラストのダンスで全てが報われた気がしました。
観終った時、これからのポリーナの活躍も観たいなあと思った1本です。
監督:ヴァレリー・ミュラー アンジュラン・プレルジョカージュ 出演:アナスタシア・シェフツォワ ニールス・シュナイダー ジェレミー・ベランガール ジュリエット・ビノシュ アレクセイ・グシュコフ
2016年 フランス 原題:Polina, danser sa vie
(20170625)
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フランス映画祭2017の公式サイトはこちらへ http://unifrance.jp/festival/2017/films/polina-danser-sa-vie追伸
この映画はフランス映画祭2017で観ました。公開は10月28日以降の予定です。