8年越しの花嫁 奇跡の実話

結婚式の様子を映したYouTubeがきっかけで広く知られることになった実話を基に描いた愛の物語です。
映画化を知って、佐藤健＆土屋太鳳の二人がこの物語をどんなふうに見せてくれるのか気になっていました。
どれだけ真摯に創り上げられたのかが伝わってくるような作品に思わず泣かされてしまいました。

会社の同僚の誘いで合コンに参加した西澤尚志（佐藤健）は、早々に1次会で退散しました。
実は今日はずっとお腹の調子が悪くて困っていたのです。

そんな尚志の様子を合コンがつまらなかったからだと誤解した中原麻衣（土屋太鳳）は、
せめて参加したなら、もう少し楽しそうにしなさいと叱ります。
でも、尚志の体調不良を知った麻衣は誤解したことを謝り、彼にお腹を温めるための簡易カイロを手渡すと
路面電車で帰る尚志の姿をずっと見送ってくれました。

やがて付き合い始めた二人は、出会った記念日に結婚式を挙げようと予約をします。
でも、幸せな日々も間も無く麻衣は原因不明の症状でこん睡状態に陥ってしまいました。

それにしても、これが実話だと知らなければ、あり得ないと思ってしまうような厳しい物語でした。
結婚を約束して間も無く病気で意識を失ってしまった婚約者の麻衣。
彼女は1年半も眠り続け、目を覚ましてもほとんど何も出来ない状態で、
本当に年単位の時間を掛けて少しずつ元の生活へ戻れるようにリハビリをしていきます。
その婚約者を、尚志はずっと支え続けていくのです。

笑うようになったと言っては喜び、テレビを観ながら歌を口ずさんだと言っては目を輝かせ、
まるで我がことのように彼女の回復を願う姿には思わずほろりとさせられてしまいました。
そして、ようやく普通の生活に近付いてきた彼女の抱える記憶の問題のことを知った時の
彼の選択には、なんて大きな心を持つ人だろうかと深く感動してしまいました。

ようやく挙げることの出来たラストの結婚式のシーンも本当に美しかったです。
観終った時、この二人の物語をこの作品で観ることが出来て良かったと感じた1本です。



監督：瀬々敬久　出演：佐藤健　土屋太鳳　杉本哲太　薬師丸ひろ子　浜野謙太　中村ゆり　北村一輝
2017年　日本
（20171116）

→公式サイトはこちらへ　http://8nengoshi.jp/#/boards/8nengoshi

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月16日以降の予定です。