羊の木

同名コミックを原作に吉田大八監督が作り上げたサスペンスです。
最初、“羊の木”というタイトルで観たいと思ったのですけど、予告編を観てこういう話なのか…と
観るか悩んでしまいました(^^ゞ
でも、もうすぐ終わってしまうし、やっぱり気になる！とチャレンジして来ました～

それにしても、人の心を試すような物語でした。

6人の元殺人犯たちが極秘裏に小さな港町へやって来ます。
それは国家の極秘プロジェクトで、受け入れる役所でも一部のものしか知りません。
6人は担当の月末一（錦戸亮）の出迎えを受けて、役所の用意した住居と仕事で生活を始めました。

一言に殺人と言っても人を殺した状況は様々で、事故に近かったもの、追い詰められて仕方なく
というものがある一方、過失致死とは言え、心の底では何を思っているのか判らないような人もいます。
そんな彼らが新しい環境をどのように受け止めていくのかがとても興味深かったです。

結局のところ、彼らがどのように犯した罪を感じていて、どれほど新しい人生を願っているかで変わって来ます。
周りの人も彼らの気持ちを無意識に受け取っているのか、そういう対応をしていきます。
真剣に恋をしたいと願う人には真剣な恋の相手を、
真面目に更生したいと願えばその真面目さを認めてくれる人に出会っていきます。
ある意味、救われる気持ちになる物語でした。

出だしに「羊の木」とは何かという解説が出てきます。
それによると、羊の実がなる植物で狼しか食べないらしい？　何とも不思議な木です。
映画を観た後に調べてみたら、「バロメッツ」という伝説の植物を元に考えられた植物のようですね。
この木の意味をまだ考えさせられています。

観終った時、久々にパンフレットを欲しいと思った1本です。



監督：吉田大八　出演：錦戸亮　木村文乃　北村一輝　松田龍平　優香　市川実日子　水澤紳吾　田中泯　中村有志　安藤玉恵　深水三章
2018年　日本
（20180303）

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