君の膵臓をたべたい（劇場版アニメ）

2017年に実写映画化されて話題になった住野よる著の青春小説をアニメ化した劇場版です。
昨年の映画はとても心に残る作品だったので、アニメも楽しみにしていました(^^)

同級生のお葬式のシーンに主人公「僕」（高杉真宙）の語りが入って始まる物語です。
「僕」がお葬式に行けなかった相手は誰か、彼はどうして行けなかったのかがゆっくりと語られていきます。

その同級生・山内桜良（Lynn）と「僕」は病院のロビーで出会いました。
偶然、「僕」が拾った文庫本は、実は桜良が“共病文庫”と名付けた日記手帳だったのです。

膵臓の病気で死ぬと書かれた文に驚いた上に、持ち主が同級生だと知って困惑するはずの「僕」が見せた
淡々とした反応に、桜良は思わず安心して笑い出します。
その翌日から桜良は自分が死ぬまでにやりたいことリストを実行する相棒として「僕」を振り回し始めました。

それにしても、心のしなやかな強さと未来への希望を感じる作品でした。

原作を読んだ時や実写映画を観た時は何故か「僕」よりも桜良の印象が強くて、
物語の主人公は彼女のように感じていました。
でも、アニメは「僕」の心により寄り添っている印象があって、実は物語の主人公は「僕」だったのだなと
改めて思い出させてくれました。
そして、この物語が見せてくれた「僕」の心の成長がとても眩しかったです。

絵がとても綺麗です！
満開の桜の木が輝くような風景にはうっとりしました。
音楽もこの作品に合わせてじっくりと創られたというだけあって、ぴったりで良かったです♪

あと、実写にはあった大人のシーンが無くて、原作に近いストーリーになっているのもいいなと思いました。
実写も劇的でいいのですけど、あの年齢までずっと引き摺っているのは辛いなと思っていたので(^^ゞ
また、今回加わっていた、花火のシーンと星の王子さまのような世界＆桜良のシーンは
アニメならではの良さだなと感じました(^^)

正直言って実写のように涙々ではありませんでしたけど、今作の優しさと美しさはとても心地良かったです。
観終った時、この作品に関わった創り手たちの愛を感じるなあとニッコリした1本です。



監督：牛嶋新一郎　声の出演：高杉真宙　Lynn　藤井ゆきよ　内田雄馬　福島潤　田中敦子　三木眞一郎　和久井映見
2018年　日本
（20180901）

→公式サイトはこちらへ　https://kimisui-anime.com/