9.11からイラン戦争開戦までの政府の動向を追った新聞記者たちの姿を描いた社会派ドラマです。
『バイス』と同時期の情勢を別の視点から見た作品なので、『バイス』を観たらこの作品も観てみなくちゃと
チャレンジしてみました。
9.11テロが発生した翌年。アメリカ政府は対イラクへの戦争を仕掛けようとしていました。
でも、傘下の地方新聞社へ情報を流しているナイト・リッダー社では、
大統領が主張しているイラクの大量破壊兵器保持に疑問を持っていました。
どんな情報源に訊いても、イラクでは見つからないと言うのです。
また、テロとの関係も不明な点のあるイラクと、どうして戦争を起こそうとするのか
理解に苦しむところがありました。
支局長ジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)のもと、ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)と
ウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)は政府の嘘を見破るため、情報を必死に集めます。
また、情報を得た後も、自分たちの掴んだ情報が確かだと確信するため、裏取りに追われていました。
そんな中、大統領や政府の発表により大量破壊兵器保持は確定的な雰囲気となり、世論も同調し始めます。
いくら彼らが頑張っても、ニューヨーク・タイムズをはじめとする多くの新聞社がイラク戦争肯定論に傾き、
真実はどんどん遠ざけられていきました(T_T)
それにしても、10年ほど前にアメリカのマスコミ全体がこんなことになっていたとは驚きです。
しかも、一番の信頼を誇る新聞が…と、正直ショックを受けました。
政府筋の情報として新聞に情報をリークして、その後に後追いで“新聞にも載っているように~”と演説をし、
世論を自分たちの都合の良いように導いてしまうとは、本当に怖いなあと感じました。
次第に世論は政府の目論見通りに動いていって、とうとう湾岸戦争が起きてしまいます。
この展開には思わずため息が出てしまいました(-_-)
『バイス』を観ていたので、この裏ではこんなことが起きていたのか・・・と改めて考えさせられました。
観終った時、2本とも観れてよかったなあと感じた1本です。
監督:ロブ・ライナー 出演:ウディ・ハレルソン ジェームズ・マースデン トミー・リー・ジョーンズ ミラ・ジョヴォヴィッチ ジェシカ・ビール ロブ・ライナー
2017年 アメリカ 原題:SHOCK AND AWE
(20190505)
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