葛飾北斎の生涯を柳楽優弥&田中泯主演で描いた人生のドラマです。
昨年に予告編を観た時から、ずっとスクリーンで観るのを楽しみにしていました。
若い時から晩年まで、ひたすら絵に向かってきた苦悩と共に生きる姿が印象的な作品でした。
ある日のこと。絵で一番になりたいという野望を胸に筆をとっていた絵師の勝川春朗(柳楽優弥)は
版元として名高い蔦屋重三郎(阿部寛)と会うことが出来ました。
自信作を持ち込んだ春朗に対して、蔦屋は面白くない絵だと突き返します。
上手いだけでは絵の魅力が無いと教えたのです。
がっかりした春朗はその後もひたすら絵に向かいますけど、自分でも納得できる絵は描けません。
そんな中、蔦屋を訪ねた春朗は、絶大な人気を誇る喜多川歌麿(玉木宏)に紹介されます。
表面的な美しさだけでなく女性の心の艶やかさまで描き出す歌麿のスタイルに
反感を持ちつつも圧倒された彼は、さらに自分の絵が解らなくなってしまいました…
それにしても、絵を描くことに人生をかけるって、こういうことなのかと
しみじみ感じるような作品でした。
本当に自分が書きたいものは何かを探す旅は、ほとんど死に向かっているようにも見えるほど
ギリギリのところまで自分を追い詰めていきます。
その果てに見つけたものが、その後に世界的な名作となっていくのもちょっと納得でした。
あと、若い頃を柳楽優弥さん、晩年を田中泯さんが演じています。
二人の独特の存在感と葛飾北斎の強烈な存在感が合っていてとても良かったです。
不器用なまでに絵を追い求め続ける姿に、苦労を乗り越えたからこその天才なのだなと感じた1本です。
監督:橋本一 出演:柳楽優弥 田中泯 玉木宏 瀧本美織 津田寛治 青木崇高 辻本祐樹 浦上晟周 芋生悠 河原れん 城桧吏 永山瑛太 阿部寛
2020年 日本
(20210614)
→
公式サイトはこちらへ http://www.hokusai2020.com/index_ja.html