“虹の女神”というタイトルの一遍の詩を読んだような、そんな印象の作品でした。

映画制作会社で働く岸田智也(市原隼人)は、いつも上司たちに失敗を怒られている。
今日も怒られながら片付けをしていると
アメリカで起きた飛行機事故のニュースが流れてきた。
その犠牲者の中には、大学時代の友人で
映画作りが大好きだったあおい(上野樹里)の名前があった…

作品の中に、映画作りの大好きな人が大好きな映画を作りました!という雰囲気が
いっぱい詰まっていました。
全編にあおいの映画作りのシーンがいっぱい出てきます。
あおいの青春は映画と共にあったというか
映画そのものだったことが感じられました。

そんなあおいが心を揺らす恋。
でも、その相手の智也は、あおいを全くの対象外としか思っていません。
どうってことの無い人には何を言われても平気だけど
好きな人に言われると傷つく言葉はいくつもあります。
彼は無邪気にふざけている中で、あおいをひどく傷つけてしまいます。
そして、あおいは想いを胸に残したまま
映画作りの勉強のためアメリカへと旅立ってしまいました。

相手に伝えたかったけど、届かなかった想い。
あおいはその想いを
相手に受け入れられなければ壊れてしまうと思ったのでしょう。
でも、彼女がもっと大人になった時には
相手に受け止められなくても、ただ届くだけでうれしいと思える
そんな想いに変わったかも知れません。

彼女の想いが相手に届いた時、それは彼女が生きてきた証の一つになった…
そんなふうに感じた1本です。


(061122)