きっと、この人が生きていたら…と誰もが願いを込めて観るだろうなあと感じました。

長年、ホテルのドアマンとして働いてきた男は、元職場のロビーでチェスをして楽しんでいる。
厨房で働くメキシコ系移民たちは急な残業を勝手に入れられて怒っている。
上司と不倫をしている女性従業員は愛の行方に不安を抱いている。
大スターの女性は衰え始めた美貌に悩んでアルコールに溺れ、
その夫は自分勝手な妻に愛想を尽かし始めている。
若者はベトナム戦争行きを逃れるために、徴兵前に偽装結婚を計画する。
熟年夫婦は、消えかけていた夫婦の絆を取り戻そうと心を通い合わせる。
大統領候補の選挙スタッフは、今日も寝る間も惜しみながら活動している。
(ただし、一部の若者スタッフは新しいドラッグの体験に浮かれている。)
そんな様々な人たちの感情や想いと共に、ホテルの時間は流れていた。
そして夜、大統領候補ロバート・F・ケネディのスピーチが始まった…

1968年6月5日。ボビーの愛称で親しまれた大統領候補ロバート・F・ケネディが演説した
アンバサダーホテルでの1日を描いた作品です。
何も知らない時代のことなのに、なんとなく懐かしい気持ちになりました。
多くの人々と画面で出会ううちに、すっかりこの時代の雰囲気に入り込んでいました。
裕福な人も貧しい人も、若い人も年老いた人も、そしてどんな人種の人も
希望を持って笑顔で歓迎した人こそがロバート・F・ケネディだったのだなと実感しました。

そして、ラストに流れるスピーチの言葉はとてもすばらしいものでした。
こういうことを言える政治家がいたのだなあと、改めてその偉大さを感じました。

スピーチの言葉をちゃんと知りたいとパンフレットを買ってしまった1本です(^^)


(070314)