あのどぎついメイクはさて置き、物語は楽しめるかなあと思って観てきました。
とてもシンプルなストーリーと演技に、童心に帰ったような気分になりました~

大きな屋敷に住む青年を、とある老人が訪ねてきました。
老人は青年に、昔その屋敷の持ち主だった大叔父・大貫(役所広司)のことを語り始めます。
「お前が私を知っているだけで腹が立つ」が口癖だった、嫌な奴No.1の大貫。
心臓を悪くして病院に入院していた頃は、その意地悪さは最大限にパワーアップしていました。
そんな時に出会った少女・パコ(アヤカ・ウィルソン)。
その出会いは大貫にとって人生観を変えるほどの大きなものになりました…

原色が散りばめられた色彩が絵本の世界にぴったりでした~☆

観始めた時、序章の何とも言いがたい屋敷内の光景を観ながら、うわ~何だ?と思ったのですけど
次第に慣れたらOKな気分で観ていました(笑)
特に病院へと舞台を移してからは違和感なしです。だって病院自体がお伽話のようなのです。

毎年恒例のイベントにどんな劇を出すか真剣に考え中のお医者さん(上川隆也)。
化粧も口調も妙に迫力のある看護士さん(土屋アンナ)。
仕事に文字通り命を懸けて頑張る消防士(劇団ひとり)。
過去には天才子役だったが、子役の演技から脱皮できずに壊れてしまった青年(妻夫木聡)。
などなど、インパクトのある人物ばかり出てきます(笑)

でも、ストーリーは一直線。
パコの大好きな絵本の世界を劇にするため、みんなが一致団結して頑張っていきます。
しかも言い出したのは大貫。
あれだけ他人を嫌っていた大貫がパコのために必死にガマ王子のお芝居をするのです。
そして大貫の必死な姿は、病んでいる心の人々までも動かすほどのパワーに溢れていました(^^)

それにしても出演している役者さんが多いですね~
エンドロールを観て、こんな人どこにいたかなあと思う人もいっぱいでした(^^ゞ
その中でやはりインパクトがあったは役所広司さんと妻夫木聡さん。
妻夫木聡さんの演じた青年はあまり好きな人物ではなかったですけど、
あの自己中な迫力ある悲しみ方の演技は凄いなあと思いながら観ていました。

そんな中、どれだけ毒々しい雰囲気のシーンでも
すぐさま正常な空気に変えてしまうようなアヤカちゃんのオーラはただものでは無かったです。
無邪気って一番のパワーよね~としみじみ思ってしまった1本です。



監督:中島哲也 出演:役所広司 アヤカ・ウィルソン 加瀬亮 上川隆也 劇団ひとり 土屋アンナ 阿部サダヲ 妻夫木聡 山内圭哉 國村隼
2008年 日本
(20081004)