ノーベル文学賞受賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説をもとに
急に視力が無くなってしまう伝染病が蔓延した世界を描いたドラマです。
何とも言い難い人間の嫌な部分がいっぱいで、うわ~と思いながら観ていました。

ある日、交差点で突然に目が見えなくなった男(伊勢谷友介)がパニックに陥った。
彼は車の運転中に視力を無くしたのだ。
親切な男に家まで送ってもらうが、その男は送り届けると車を盗んで行ってしまう。
仕事から帰宅してきた妻(木村佳乃)に事情を話して病院へ連れて行ってもらうが、
検査をしても異常は見つからず、原因は不明のままだった。
そして翌日、今度は医者の目が見えなくなっていた…

心がざらざらして居たたまれなくなるような物語でした(T_T)

視力を無くして隔離された収容所。
最初は理性と良識によりそこそこの落ち着きを見せていた所内が
いろいろな性格の人が集まってくるにつれて暴力による統制へと変化していきます。
その非情さと狂気は気持ち悪くなるほど怖かったです(T_T)
だからこそ、その施設から脱出した時の開放感は何とも言えなかったです~

それにしても、ガエル・ガルシア・ベルナルは怖かったです(^_^.)
「キング 罪の王」を観た時も思いましたけど、純粋な悪人という役が上手い人ですね~
良い悪いも越えて自分のことだけしか考えない人の怖さをじっくりと見せてくれました。
あと、ジュリアン・ムーアも、状況に流されつつも少しずつ良い方向へ変えていこうとする
意志が強くならざるを得なかった女性を自然体で演じていました。

ラストの言葉にう~ん…となり、家に帰っていろいろ考えてしまった1本です。



監督:フェルナンド・メイレレス 出演:ジュリアン・ムーア ガエル・ガルシア・ベルナル マーク・ラファロ 伊勢谷友介 木村佳乃 ダニー・グローヴァー アリシー・ブラガ
2008年 カナダ/日本/ブラジル 原題:BLINDNESS
(20081028)

この映画は試写会で観ました。公開は11月22日以降の予定です。