16年前に起きた謎の虐殺事件。
一夜にして南の小さな島を無人にしてしまったその事件は、全島民の死亡と共に闇に葬られたはずだった。
しかし、その事件を目撃した少年がいた。
二人は防毒マスクに身を包んだ軍人たちに人々が殺されて家が焼かれていく様子を目の当たりにしつつ、
なんとか島を逃げ出して、密かに生き延びて来たのだ。
成長した二人は大人になっても深い絆で結ばれていた。
神父となった賀来(山田孝之)は子供たちに好かれる人望の厚い青年に成長した。
だが、銀行員となった結城(玉木宏)は、狂気の犯罪者という裏の顔を持つようになっていた…
瞳が凍っているような玉木宏さんの演技がめちゃくちゃダークで怖かったです~
30年前に創作されたコミックを現代にアレンジして創り上げた作品です。
映画での主人公たちの設定は、島の出身者というように変えられていますが、
映画でもコミックと同じように、島が無人になってしまうような事件から始まります。
16年前の事件の結果で生まれた狂気に支配される結城の行動は残酷で不気味です。
はじめ、次々と事件の関係者を殺していく結城の残酷さは復讐のためのようにみえます。
でも物語が進むにつれて、彼の最終目的が単なる個人の復讐を超えた次元にあることが分かってきます。
犯罪を次々と犯していく結城を見ながら、賀来はどうしたら彼を止められるか苦悩していきます。
そんな二人の対決はとても緊迫感があって見応えありました。
それにしても、玉木宏さんは怖い役も似合いますね~
頭脳明晰で冷静沈着の結城を揺るぎ無い瞳で演じています。
容姿端麗なだけに、じっと見つめる視線が妙に怖くて、最後には笑顔も怖くなっていきました。
また、山田孝之さんは相変わらず暗い役が似合っていました(^^ゞ
こんなストーリーの原作が30年前に描かれていたとは驚きました。
本当はどんな物語だったのかとても気になります。
観終わった時、ちょっと原作にもチャレンジしてみたいなあと思ってしまった1本です。
監督:岩本仁志 出演:玉木宏 山田孝之 石橋凌 石田ゆり子 山下リオ 品川徹
2009年 日本
(20090622)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は7月4日以降の予定です。