ラッシュライフ [や・ら・わ行]
伊坂幸太郎著の同名小説を東京芸術大学映像研究科の監督・スタッフで作り上げたオムニバスです。
単館上映ということで久々に新宿バルト9へ行ってきました。
4つの作品それぞれに凝縮された想いが監督さんによって違っていて興味深かったです。
物語は「河原崎」「黒澤」「京子」「豊田」の4人のストーリーから構成されています。
全体的にはワンシーンなどでちょっとずつ繋がっていて、ほぼ同じ日の出来事なのかと感じるくらいです。
「河原崎」(柄本佑)は新興宗教の教祖に陶酔して自分を見失っている若者の1日です。
彼は父が自殺したという過去を背負ってます。
その痛みを克服して人生の希望を与えたのが教祖だったのです。
彼は教祖と教団の先輩を心から信頼していました。
そんな彼の人生を変えてしまうその1日の出来事は、かなり強烈で狂気の怖さを感じました。
また、これで自分を取り戻せなければ、彼は一生自分で歩むことは出来ないのではと考えさせられました。
河原崎役の柄本佑さんはこの作品以外にも全ての物語に少しずつ登場していて、ちょっと面白かったです。
「黒澤」(堺雅人)は妙にスマートで紳士的な泥棒の仕事ぶりを描いた1日です。
ただし、大きく人生を変えるのは、彼の友人・佐々岡(永井努)の方です。
たまたま初めての泥棒に入った家で、佐々岡は学生時代の旧友・黒澤と出会ってしまいます。
立ち上げた事業が上手く行かず、妻と離婚しないために金が欲しかった佐々岡でしたが、
プロの泥棒である黒澤の落ち着いた姿や人を観る洞察力に触れているうちに、何かを感じます。
そして最終的に決めた佐々岡の決意は、彼の人生を大きく動かしました。
『ラッシュライフ』の中ではこの佐々岡が一番普通の人かも知れません。
黒澤自体はとても変わった人物で理解不能なのですけど、一番判りやすい物語に感じました。
あと、黒澤役の堺雅人さんがイメージ通りの人物を好演していて妙にかっこ良かったです(笑)
「京子」(寺島しのぶ)はかなり自己中な(?)女性の1日の物語です。
彼女は自分と愛人が結ばれるために、自分の夫と愛人の妻を殺す計画を立てます。
愛人が運転する車に乗り、愛人の妻が待つ山間の別荘へと向かう途中で
その車が人を轢いてしまいます。
彼女はどうせ手間は同じだからとその遺体を、今夜殺害を計画している愛人の妻と共に埋めようと
車のトランクへ入れるように指示します。
でも、その遺体に不可思議なことが起きるうちに、彼女の思惑は大きく狂って行きます。
そんな彼女が真実を知った時、彼女の人生も大きく変わりました。
京子を演じた寺島しのぶさんは、さすがの迫力でした~
また、この京子は『ラッシュライフ』の中では一番苦手な人物だと思う反面、
人生の行末が一番心配になったのも彼女でした(^^ゞ
「豊田」(板尾創路)は仕事を辞めたために人生を見失ってしまった男の物語です。
彼は友人の裏切りのために仕事も家族も失い、路頭に迷っています。
その運命は友人に決められたことなのか、それとも自分で決めたことなのか。
街を彷徨いながら、彼は悩み続けます。
そんな一日の終わりに偶然に起きた出来事により、彼はひとつの決意をします。
この物語は板尾創路さんの静かな演技と、物語のキーになる犬の可愛さが印象的でした。
寄り添って歩く中年男と野良犬のうしろ姿がほのぼのと感じられる作品でした。
性格も持っているものも違う主人公たちの見せる4つのオムニバスは
それぞれがとても見応えありました。
主人公たちの人生を考えながら、ふと自分の人生も見つめてみたくなった1本です(^^ゞ
監督:真利子哲也 遠山智子 野原位 西野真伊
出演:柄本佑 堺雅人 寺島しのぶ 板尾創路 竹嶋康成 永井努 深水元基 団時朗
2009年 日本
(20090619)
単館上映ということで久々に新宿バルト9へ行ってきました。
4つの作品それぞれに凝縮された想いが監督さんによって違っていて興味深かったです。
物語は「河原崎」「黒澤」「京子」「豊田」の4人のストーリーから構成されています。
全体的にはワンシーンなどでちょっとずつ繋がっていて、ほぼ同じ日の出来事なのかと感じるくらいです。
「河原崎」(柄本佑)は新興宗教の教祖に陶酔して自分を見失っている若者の1日です。
彼は父が自殺したという過去を背負ってます。
その痛みを克服して人生の希望を与えたのが教祖だったのです。
彼は教祖と教団の先輩を心から信頼していました。
そんな彼の人生を変えてしまうその1日の出来事は、かなり強烈で狂気の怖さを感じました。
また、これで自分を取り戻せなければ、彼は一生自分で歩むことは出来ないのではと考えさせられました。
河原崎役の柄本佑さんはこの作品以外にも全ての物語に少しずつ登場していて、ちょっと面白かったです。
「黒澤」(堺雅人)は妙にスマートで紳士的な泥棒の仕事ぶりを描いた1日です。
ただし、大きく人生を変えるのは、彼の友人・佐々岡(永井努)の方です。
たまたま初めての泥棒に入った家で、佐々岡は学生時代の旧友・黒澤と出会ってしまいます。
立ち上げた事業が上手く行かず、妻と離婚しないために金が欲しかった佐々岡でしたが、
プロの泥棒である黒澤の落ち着いた姿や人を観る洞察力に触れているうちに、何かを感じます。
そして最終的に決めた佐々岡の決意は、彼の人生を大きく動かしました。
『ラッシュライフ』の中ではこの佐々岡が一番普通の人かも知れません。
黒澤自体はとても変わった人物で理解不能なのですけど、一番判りやすい物語に感じました。
あと、黒澤役の堺雅人さんがイメージ通りの人物を好演していて妙にかっこ良かったです(笑)
「京子」(寺島しのぶ)はかなり自己中な(?)女性の1日の物語です。
彼女は自分と愛人が結ばれるために、自分の夫と愛人の妻を殺す計画を立てます。
愛人が運転する車に乗り、愛人の妻が待つ山間の別荘へと向かう途中で
その車が人を轢いてしまいます。
彼女はどうせ手間は同じだからとその遺体を、今夜殺害を計画している愛人の妻と共に埋めようと
車のトランクへ入れるように指示します。
でも、その遺体に不可思議なことが起きるうちに、彼女の思惑は大きく狂って行きます。
そんな彼女が真実を知った時、彼女の人生も大きく変わりました。
京子を演じた寺島しのぶさんは、さすがの迫力でした~
また、この京子は『ラッシュライフ』の中では一番苦手な人物だと思う反面、
人生の行末が一番心配になったのも彼女でした(^^ゞ
「豊田」(板尾創路)は仕事を辞めたために人生を見失ってしまった男の物語です。
彼は友人の裏切りのために仕事も家族も失い、路頭に迷っています。
その運命は友人に決められたことなのか、それとも自分で決めたことなのか。
街を彷徨いながら、彼は悩み続けます。
そんな一日の終わりに偶然に起きた出来事により、彼はひとつの決意をします。
この物語は板尾創路さんの静かな演技と、物語のキーになる犬の可愛さが印象的でした。
寄り添って歩く中年男と野良犬のうしろ姿がほのぼのと感じられる作品でした。
性格も持っているものも違う主人公たちの見せる4つのオムニバスは
それぞれがとても見応えありました。
主人公たちの人生を考えながら、ふと自分の人生も見つめてみたくなった1本です(^^ゞ
監督:真利子哲也 遠山智子 野原位 西野真伊
出演:柄本佑 堺雅人 寺島しのぶ 板尾創路 竹嶋康成 永井努 深水元基 団時朗
2009年 日本
(20090619)
shinさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-06-22 12:33)
takemoviesさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-06-22 12:34)
yuki999さんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-06-22 12:34)
このようなオムニバス映画を以前観ましたが、短編といえども、一つ一つの映画が、しっかり作られているのに感心しました。短編の方が、かえって難しいとのことでしよう。
by たいちさん (2009-06-22 13:36)
伊坂幸太郎原作の映画化って、最近多いですね~。
原作も読んだことが無いのですが、気になる作家です。
機会があれば、チャレンジしてみます。
by 江戸うっどスキー (2009-06-22 20:13)
たいちさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
見応えのある短編を作るのは本当に難しいと思います。
今作は4人の監督さんがしっかりと物語を創り上げていました。
それぞれに違う色を出しているのも面白かったです(^^)
by non_0101 (2009-06-23 00:51)
江戸うっどスキーさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
映画化するのは難しそうな作品が多いのに、何故かたくさん映画化されていますね~
どの作品にも純粋な悪や罪に対する独特の世界観が出ていて面白いです。
ぜひ、機会がありましたらチャレンジしてみてくださいね(^^)
by non_0101 (2009-06-23 00:56)
xml_xslさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-06-23 00:57)